研究課題/領域番号 |
11671133
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
代謝学
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研究機関 | 京都府立医科大学 |
研究代表者 |
野坂 和人 京都府立医科大学, 医学部, 助教授 (10228314)
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研究期間 (年度) |
1999 – 2000
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研究課題ステータス |
完了 (2000年度)
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配分額 *注記 |
2,800千円 (直接経費: 2,800千円)
2000年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
1999年度: 1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
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キーワード | チアミン / チアミン反応性貧血症候群 / チアミンピロホスホキナーゼ / チアミン輸送タンパク質 / チアミンピロリン酸 |
研究概要 |
先天性代謝異常症であるチアミン反応性貧血症候群(TRMA、OMIM249270)は巨赤芽球性貧血と糖尿病、難聴を三主徴とし、チアミンの大量投与によりそれらの症状が軽減するチアミン依存症である.本症の原因異常酵素としてチアミンピロホスホキナーゼ(TPK)とチアミン輸送タンパク質のいずれかが考えられていたが、申請者はイスラエルのCohenらとの共同研究で本症の原因遺伝子(THTR-1)を決定し、THTR-1が高親和性チアミン輸送タンパク質をコードすることを明らかにした.一方、マウスのESTデータベースのホモロジー検索、2-step PCR法、および酵母のTPK欠損変異株の機能相補スクリーニングを組み合わせて、初めて哺乳類のTPK cDNAをマウスより単離し、続いてコロニーハイブリダイゼーション法によりヒトのTPK cDNA(hTPK1)を単離した.hTPK1翻訳産物は243残基のアミノ酸からなる分子量約27000のタンパク質でマウスのTPKと89%のアミノ酸が一致していた.hTPK1mRNAの発現量は非常に少ないが、検討した12種類の組織のほとんどで認められた.また、TRMA患者の線維芽細胞をチアミンの低濃度(3nM)の条件下で培養させると細胞内総チアミン濃度は低下したが、hTPK1mRNA量は変化しなかった.以上より、hTPK1遺伝子は細胞内チアミンあるいはチアミンピロリン酸に調節を受けず各組織で構成的に発現していることが示唆された.さらに、FISH法による染色体マッピングによりhTPK1遺伝子は7q34に存在することを決定したが、ヒトゲノム情報によりhTPK1遺伝子は少なくとも8個のエキソンからなり、365-kb以上の大きさを持つことも明らかとなった.
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