研究課題/領域番号 |
11671139
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
代謝学
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研究機関 | 横浜市立大学看護短期大学部 |
研究代表者 |
江川 正人 横浜市立大学看護短期大学部, 病態学, 教授 (40232938)
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研究期間 (年度) |
1999 – 2000
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研究課題ステータス |
完了 (2001年度)
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配分額 *注記 |
2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
2000年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
1999年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
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キーワード | leptin / 膵島 / insulin / 糖毒性 / 糖尿病 / ラット / マウス / ランゲルハンス氏島 |
研究概要 |
高血糖の2型糖尿病のインスリン分泌低下にレプチン作用が防御的に作用するという仮説を検証した。高ブドウ糖濃度下、レプチン添加培養のラット及びマウス単離膵島のブドウ糖刺激インスリン分泌反応を検討することにより高ブドウ糖濃度(16.5mM)+レプチン添加(2nM)で培養を1、6、12、24、48時間行いブドウ糖刺激インスリン分泌反応、生合成、含量を測定した。24時間以上の高ブドウ糖濃度により分泌反応は低下するが、レプチン添加は分泌低下を抑制した。正常ブドウ糖濃度下ではレプチンは反対にインスリン分泌を抑制する傾向を示した。このことから慢性レプチン暴露が「高ブドウ糖濃度による膵島の糖不応性」を抑制する作用を持つ事が見いだされた。レプチンは膵島のインスリン含量・生合成並びに培地中インスリン蓄積量を変化させないことから、作用はインスリン産生量の変化を介するものではないと考えられた。またarginine刺激によるインスリン分泌は高ブドウ糖濃度・レプチン暴露により変化しないことからレプチンの効果はブドウ糖刺激分泌に特異的であることが示唆された。次にこのレプチンの作用に膵β細胞のカリウムチャンネルが関与する可能性を検討した。培養液中のカリウムを高濃度(30mM)とする事によりβ細胞の細胞膜を脱分極すると、レプチンの効果は相殺されることより、レプチン添加培養の作用がATP依存性カリウムチャンネルを介する事が示唆された。さらに、膵島細胞内カルシウムイオンの動態を測定しレプチンの作用に細胞内カルシウムイオン濃度のオッシレーションが関与するかどうかを検討した。この結果、レプチンは高ブドウ糖濃度によるカルシウムイオン濃度のオッシレーション減弱を改善することを見いだした。以上、レプチンはβ細胞の膜イオンチャンネル機能改善を介して「高ブドウ糖による膵島の糖不応性」を抑制した。
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