研究課題/領域番号 |
11671151
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
外科学一般
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
篠崎 大 (2000) 東京大学, 医学部・附属病院, 助手 (10312315)
韓 一秀 (1999) 東京大学, 医学部・附属病院, 助手 (60312310)
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研究分担者 |
池田 重雄 東京大学, 医学部・附属病院, 医員
齋藤 英昭 東京大学, 医学部・附属病院, 助教授 (30134555)
小倉 信 東京大学, 医学部・附属病院, 助手 (50185568)
篠崎 大 東京大学, 医学部・附属病院, 助手 (10312315)
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研究期間 (年度) |
1999 – 2000
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研究課題ステータス |
完了 (2000年度)
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配分額 *注記 |
4,000千円 (直接経費: 4,000千円)
2000年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
1999年度: 2,900千円 (直接経費: 2,900千円)
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キーワード | 外科侵襲 / 炎症性腸疾患 / 腸管免疫 / 好中球 / リンパ球 / サイトカイン / 全身防御反応 |
研究概要 |
本研究の目的は、外科侵襲時の腸管免疫の病態とその全身防御反応への関与機序を分子生物学的に解明し、生体防御能増強・炎症遷延化防止・臓器障害発生抑制をめざした対策を開発することにある。 腸管免疫の異常と密接に関連した炎症性腸疾患をモデルとした実験系を用いて、本研究は、以下のような研究実績を得た。 TNF-α・LPS刺激を受けた腸上皮細胞による好中球・リンパ球の遊走の増加を、double chamber modelを用いたchemotaxis assay法にて定量的に評価した。ヒト小腸上皮細胞株FHSにTNF-αまたはLPS刺激を加え、24時間後、ヒト臍帯血管内皮細胞を培養したinsert chamberを挿入し、健常成人末梢血より分離した好中球またはリンパ球を分注した。37℃にて、リンパ球は3時間、好中球は45分培養し、下層に遊走した細胞の数をフローサイトメトリーにて計測した。その結果、腸上皮細胞はTNF-α刺激に反応して好中球・リンパ球の遊走を増加させたが、LPS刺激では遊走細胞数は増加しなかった。 すなわち、炎症性腸疾患の症状増悪時には、TNF-αに刺激された腸上皮細胞が好中球やリンパ球のchemoattractantを産生し、この結果として遊走の増加した好中球・リンパ球が更に粘膜傷害を増悪させるという悪循環が生じている可能性が示唆された。 腸管におけるサイトカインの過剰産生とそれに対する反応としての好中球・リンパ球の遊走を抑制することは、炎症性腸疾患の症状増悪の遷延防止に寄与するものと考えられる。
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