研究課題/領域番号 |
11671162
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
外科学一般
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
西田 俊朗 大阪大学, 医学系研究科, 助手 (40263264)
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研究分担者 |
内山 安男 大阪大学, 医学系研究科, 教授 (10049091)
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研究期間 (年度) |
1999 – 2000
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研究課題ステータス |
完了 (2000年度)
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配分額 *注記 |
3,600千円 (直接経費: 3,600千円)
2000年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
1999年度: 2,700千円 (直接経費: 2,700千円)
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キーワード | エンドトキシン / アポトーシス / 肝細胞 / クッパー細胞 / ビリルビン / 胆汁酸 / Caspase-3 / MAP Kinases / 肝障害 / 胆汁鬱滞 |
研究概要 |
感染による胆汁排泄量の低下 肝外閉塞性黄疸の患者さんに胆道ドレーナージ術を行った際、血中ビリルビンと胆汁酸、胆汁中ビリルビンと胆汁酸を経時的に測定、血中ビリルビンと胆汁酸の消失速度と、胆汁中へのビリルビンと胆汁酸の排泄量を感染症の有無で比較した。感染症が存在すると血中のビリルビンと胆汁酸の消失は遅延、血中ビリルビン・胆汁酸の低下は遅れ、胆汁中へのビリルビンと胆汁酸の排泄量も低下していた。則ち、感染症を合併すると肝細胞によるビリルビンと胆汁酸の胆汁中への排泄は低下することが明らかになった。 エンドトキシンによる肝細胞アポトーシス エンドトキシンの静脈投与で血液中のビリルビン・胆汁酸は12〜24時間を中心に上昇し、胆汁中へのビリルビン・胆汁酸の排泄は6〜18時間を中心に低下した。エンドトキシンの静注後6時間から8時間をピークに、肝細胞内の活性型Caspase-3の増加を認め、アポトーシスの肝細胞数も増加した。ガドリニウムを投与しクッパー細胞を不活化すると、エンドトキシンによる活性型Caspase-3の増加も肝細胞アポトーシスも観察されなかった。Kupffer cell-conditioned Mediumを培養肝細胞に加えると肝細胞にアポトーシスを生じた。Kupffer cell-conditioned Mediumに抗TNFα抗体を添加すると、肝細胞アポトーシスは抑制された。以上より、エンドトキシンはクッパー細胞に作用し、サイトカンー特に、TNFαの分泌を促し、少なくともこのTNFαが肝細胞にアポトーシスを誘導し、肝細胞の現象に関与していることを明らかにした。 エンドトキシンによる胆分泌関連蛋白質の発現抑制 胆汁酸とビリルビンの輸送担体(NTCPとOATP,CMOAT)の発現量を調べると、エンドトキシン投与にて、胆汁鬱滞に先行してこれら膜蛋白質が減少した。この現象はクッパー細胞の不活化剤(Gd)にて抑制された。Kupffer cell-conditioned Mediumを単離培養肝細胞に添加してもCMOATの発現低下を生じた。しかし、Kupffer cell-conditioned Medium中に抗IL-1α抗体を添加すると、CMOATの発現低下は抑制され、IL-1αを単離培養肝細胞に添加すると、CMOATの発現低下を生じた。MAP Kinasesの阻害剤PD98059やSB203580を添加すると、Kupffer cell-conditioned MediumによるCMOATの発現低下は抑制された。以上より、エンドトキシンによるCMOATの発現量低下は、クッパー細胞の活性化され、クッパー細胞から分泌されるIL-1αが、肝細胞内のMAP Kinasesを活性化し生じることが明らかとなった。
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