研究概要 |
(1)ヒト乳癌細胞株であるMDA231,T47-D,BT20の細胞膜表面のCD40発現をflow cytometryにて検討したところ,CD40の発現が陽性であった.この発現はヒト正常乳腺細胞培養株ではほとんど認められなかった. (2)MDA231,T47-D,BT20の細胞膜表面のCD40発現はinterferon-γとのco-incubationで増強した. (3)in vitro assay: MDA231,T47-D,BT20にける可溶性CD40 ligandの抗腫瘍効果をMTT assay,trypan blue exclusion methodにて検討したところ,抗腫瘍効果が観察された.この効果もinterferon-γとのco-incubationで増強した.この抗腫瘍効果のメカニズムをapoptosis /necrosisの両面から検討するため,flow cytometry(AnnexinV,PI染色)にて検討したところ,apoptosisが観察された. (4)in vivo assay:6週齢以上のCB-17/SCIDマウス(日本クレア)に,5x106個のヒト乳癌細胞株MDA231静注(i.v.)したところ,マウスは40-60日後に腫瘍の肺転移にて死亡した.このモデル用い,10匹ずつ以下の3グループに分け(ヒト乳癌担癌マウス治療モデル)CD40刺激による抗腫瘍効果を検討した. group1;day3より血清+glycerol(コントロール),連日,計10回i.v.する. group2;day3より可溶性CD40ligand 10μg,連日,計10回i.v.する. group3;day3より抗CD40抗体10μg,連日,計10回i.v.する. この結果,可溶性CD40 ligand治療群,抗CD40抗体治療群は,コントロールに比べ有意に生存期間が延長した.
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