研究概要 |
成果1.癌化に伴って活性の上昇する血清α1,3フコース転移酵素の由来 担癌患者血清中のα1,3FTは、腫瘍切除後活性が低下すること、腫瘍をはさんで2カ所から採血した血清中の1,3FT活性は腫瘍還流後の血中ででいずれも高く、またその大部分の活性が抗FUT6で中和されたことから、癌化に伴う血清中の1,3FT活性は、主として腫瘍に由来し、FUT6のコードするα1,3FTであることが考えられた。 成果2.α1,2fucosy1基を持つ糖鎖と大腸癌の進展・転移-YB3抗体による組織学的検討- 免疫染色ではα1,2フコシル基を持つ糖鎖は正常大腸組織では右側結腸の粘膜にしか発現しないが、癌化とともに左側結腸でも顕著に発現してくることが示された。またその発現パターンは深達度、リンパ節転移とも関連があり、病期が進行した症例ほどびまん性の染色性を示す。α1,2フコシル基を持つ糖鎖が大腸癌の進展・関与していることが示された。 成果3 α1-酸性糖蛋白質糖鎖の癌性変化 血中AGP糖鎖の癌性変化を見出すと共に、癌患者の予後予測にAGPのグライコフォームの解析が有用であることが示された。
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