研究課題/領域番号 |
11671215
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
消化器外科学
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研究機関 | 新潟大学 |
研究代表者 |
西巻 正 新潟大学, 大学院・医歯学総合研究科, 助教授 (70242427)
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研究分担者 |
神田 達夫 新潟大学, 医学部・附属病院, 助手 (80303147)
鈴木 力 新潟大学, 医学部, 教授 (40183420)
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研究期間 (年度) |
1999 – 2001
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研究課題ステータス |
完了 (2001年度)
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配分額 *注記 |
3,000千円 (直接経費: 3,000千円)
2001年度: 400千円 (直接経費: 400千円)
2000年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
1999年度: 1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
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キーワード | 食道癌 / 微小転移 / リンパ節転移 / サイトケラチン / 免疫組織化学 / メッセンジャーRNA / リアルタイムPCR法 |
研究概要 |
従来の検査法では検出されない微小腫瘍細胞(Micro-tumor cell)が食道癌症例のどの部位に、どの程度存在し、いかなる臨床的意義を有するか検討した。<研究I>根治切除が施行され、組織学的にリンパ節転移陰性の食道癌37症例の切除リンパ節2774個をSAB-P0法による抗サイトケラチン抗体(AE1/AE3カクテル)免疫染色を行い、陽性に染色されるMicro-tumor cell(微小転移)を検出した。微小転移は切除リンパ節2774個中1.0%、37症例14例(38%)に認められた。リンパ節微小転移は腫瘍進展の指標となる臨床病理学的因子とは相関しなかった。微小転移陽性症例における微小転移部位は広範で、64%が腹部リンパ節に、50%が縦隔リンパ節に、29%が頸部リンパ節に微小転移を認めた。食道癌術後再発は微小転移陽性症例で50%、陰性症例では8.7%と有意差をもって前者に高率であった。また微小転移陽性症例の無再発生存曲線、overall生存曲線は陰性症例と比較して有意に不良であった。微小転移陰性症例の術後5年生存率は91%と良好であったが、陽性症例のそれは64%と予後不良であった。Cox比例ハザードモデルによる多変量解析ではリンパ節微小転移が食道癌切除後の無再発生存における唯一の予後規定因子であった。<研究II>食道癌Micro-tumor cellの存在をリアルタイムPCR法(Light Cycler)で測定されるサイトケラチン20(CK-20)とCEAのm-RNAレベルを健常者末梢血のそれを対照として用いることで検出した。食道癌患者28名の治療前、術中、術後末梢血、腫瘍ドレナージ血、肋骨骨髄血、胸管内リンパ液中の異常CEA m-RNA発現は各21.4%、19%、20%、42.1%、21.4%、20%に認められ、異常CK20 m-RNA発現は各14.3%、4.8%、10%、15.8%、21.4%、0%であった。本研究の結果、食道癌患者の体内には既に広範にMicro-tumor cellが播種していることが明らかになった。食道癌の治療成績向上のためには微小転移陽性症例に対して有効な補助療法の開発が必要と考えられる。
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