研究課題/領域番号 |
11671228
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
消化器外科学
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
梛野 正人 名古屋大学, 医学部, 講師 (20237564)
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研究分担者 |
上坂 克彦 名古屋大学, 医学部, 助手 (20283434)
神谷 順一 名古屋大学, 医学部, 講師 (70194975)
二村 雄次 名古屋大学, 医学部, 教授 (80126888)
小田 高司 名古屋大学, 医学部, 助手 (30311715)
湯浅 典博 名古屋大学, 医学部, 助手 (00303610)
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研究期間 (年度) |
1999 – 2000
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研究課題ステータス |
完了 (2000年度)
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配分額 *注記 |
3,400千円 (直接経費: 3,400千円)
2000年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
1999年度: 1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
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キーワード | 虚血再灌流障害 / ブレコンディショニング / 肝不全 / 高脂血症 / 白血球 / クッパー細胞 / 接着分子 / プレコンディショニング / 虚血再灌流傷害 / 肝細胞傷害 / 肝微小循環 / SWOP |
研究概要 |
本研究は、白血球による肝虚血再灌流障害に対するプレコンディショニングの効果を検証することにあった。マウス肝の虚血再灌流実験モデル確立あたり、実験1より研究を開始した。 【実験1】近年、高脂血症患者手術症例が増加し、大量肝切除をおこなう機会も少なくないが、高脂血症が、肝虚血再灌流傷害の増悪因子となるかはよくわかっていない。高脂血症動物であるLow Density Lipoprotein Receptor Knock Out(LDLr-/-)マウスを用い、高脂血症の肝虚血再灌流傷害に与える影響について検討した。LDLr-/-マウスと野生型マウスの肝臓において、蛍光標識した白血球の集積と非灌流類洞率を30分の虚血後、1時間の再灌流時に蛍光生体顕微鏡を用い観察した。血清Alanine Transaminase(ALT)濃度を肝細胞障害の指標として測定した。肝微小循環における白血球の集積が、非灌流類洞率やALT濃度の増加とともに、LDLr-/-マウスにおいて高度に認められた。LDLr-/-マウスに、クッパー細胞を失活させるガドリニウムクロライドを前投与することによって、再灌流後の肝微小循環における白血球の集積、非灌流類洞率、肝細胞障害は抑制された。同様の防御効果が、intercellular adhesion molecule-1(ICAM-1)、P-selectinに対する抗体の前投与でも認められた。これらの所見から、高脂血症下では肝の虚血再灌流障害が増大し、この反応にクッパー細胞の活性化と、ICAM-1、P-selectinを介在する白血球の微小循環への集積が関与していると推察された。【実験2】野生型マウスの肝虚血再灌流モデルを用い、微量エンドトキシンを、肝虚血を行う24時間前に腹腔内投与した。本投与により、60分肝虚血によってもたらされた再灌流後の、肝類洞への白血球停滞が抑制され、エンドトキシン投与によるプレコンディショニング効果が確認された。今後、短時間虚血によるプレコンディショニング発現効果を検証し、そのメカニズム、臨床応用について追求していく予定である。
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