研究課題/領域番号 |
11671229
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
消化器外科学
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研究機関 | 愛知医科大学 |
研究代表者 |
野浪 敏明 愛知医科大学, 医学部, 助教授 (80189422)
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研究分担者 |
下村 吉治 名古屋工業大学, 工学部, 教授 (30162738)
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研究期間 (年度) |
1999 – 2000
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研究課題ステータス |
完了 (2000年度)
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配分額 *注記 |
3,400千円 (直接経費: 3,400千円)
2000年度: 1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
1999年度: 1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
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キーワード | Human liver / Mitochondoria / Pyruvate dehydrogenase / PDH kinase / Methacrylyl-Co A hydratase / β-hydroxyisobutyryl-Co A hydralase / Liver disease / Mito chondria / Pyruvate dehycrogenase / Methacrylyl-CoA hyclratase / β-hyctronyisobutyryl-CoA hyclrolase / Liver diseases / Liver / mitochondria |
研究概要 |
【目的】ピルビン酸脱水素酵素(PDH)複合体は、ミトコンドリアの代表的酵素である。PDH複合体は、バリン代謝系の律速酵素、(branched-chain α -ketoacid dehydrogenase(BCKD))と極めて類似した酵素であり、その活性はBCKD複合体と同様に特異的kinase(PDH kinase)とphosphataseにより調節されることが明らかにされている。最近、PDK kinaseには4つのアイソザイムが存在することが明らかにされた。本研究では、グルコース代謝の律速酵素であるPDH複合体の活性を調節するkinaseの遺伝子発現と、それに及ぼす肝疾患の影響をヒト肝臓において調べた。また同時にバリン代謝系の酵素に対する肝疾患の影響も検討した。【対象と方法】正常肝、慢性肝炎、硬変肝、および肝細胞癌を肝切除時に採取した。肝組織の総RNAを抽出し、PDHkinase(PDK)の各アイソザイム(1型〜4型)のmRNA量をRT-PCR法によって定量した。またバリン代謝系のkey enzymeであるmethacrylyl-coenzyme A(MC-CoA)hydrataseとβ-hydroxyisobutyryl-coenzyme A(HIB-CoA)hydrolaseの酵素活性を分光学的方法にて測定した。さらにこれらの酵素のmRNAをRT-PCR法によって定量した。【結果】PDKアイソザイムのmRNA量では、正常肝においてはPDK4が最も高く、次いでPDK2、PDK1の順であった。PDK3は検出されなかった。PDK2およびPDK4は、正常肝に比べて硬変肝と肝細胞癌では、有意差はないが低下傾向を認めた。MC-CoA hydratase活性、HIB-CoA hydrolase活性は、正常肝に比べ、硬変肝と肝細胞癌において有意に低下していた。一方、これら酵素のmRNA量は、硬変肝においては、高値を示すものの、肝癌、慢性肝炎では正常肝と差はなかった。【考察】PDK2とPDK4のmRNA量は肝疾患により減少する傾向があり、肝疾患に伴う糖代謝異常に影響を与えている可能性が示唆された。また、肝疾患時のバリン代謝系酵素の活性低下は、酵素発現における遺伝子情報伝達後の調節により制御されることが示唆された。
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