研究課題/領域番号 |
11671242
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
消化器外科学
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研究機関 | 山口大学 |
研究代表者 |
福本 陽平 山口大学, 医学部附属病院, 教授 (90136193)
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研究分担者 |
坂井田 功 山口大学, 医学部・附属病院, 助手 (80263763)
村上 不二夫 山口大学, 医学部・附属病院, 講師 (10253155)
立石 彰男 山口大学, 医学部・附属病院, 助教授 (00155102)
萱野 幸三 山口大学, 医学部, 助手 (90314799)
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研究期間 (年度) |
1999 – 2000
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研究課題ステータス |
完了 (2001年度)
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配分額 *注記 |
3,600千円 (直接経費: 3,600千円)
2000年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
1999年度: 2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
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キーワード | 黄疸 / SIRS / サイトカイン / 胆汁分泌 / 胆汁酸 / ケノデオキシコール酸 / セクレチン |
研究概要 |
敗血症やDIC患者に出現する黄疸の発生機序の解明、ならびに治療法の開発を目的として、まず、systemic inflammatory response syndrome(SIRS)の病態と黄疸(肝障害)の発生との関連性を、ICU病棟に入院中のSIRS患者(非肝疾患例)を対象として検討した。その結果、SIRS症例の97.8%に黄疸が出現し、非SIRS症例の28.6%に比べて明らかに多発していた。また、IL-6などのサイトカインもSIRS患者の黄疸例で有意に上昇した。しかし、大量の胆汁酸やビリルビンなどの胆汁中への排泄に関与する微小管障害の可能性を推測して、SIRS患者血清をラットの腹腔内に投与したが、有意な肝障害や黄疸の発生モデルは作成できなかった。 最近、胆汁分泌、胆汁酸、微小管の関係について新知見が見い出され、核内リセプターが胆汁酸などの膜輸送に関与する膜タンパクの発現を調節しており、chenodeoxycholic acid(CDCA)もその一つであることが判明した。また、消化管ホルモンであるsecretinが、胆管上皮細胞の水分泌の調節に関与する膜蛋白の発現を調整し、微小管とも関連していることが明らかとなった。そこで、ラットにCDCAを投与し胆汁分泌機構に与える影響を調べた。さらにsecretinを投与して胆汁分泌量の変化を検討した。その結果、CDCAの大量投与では、胆汁分泌量は減少し胆汁中への胆汁酸や重炭酸の排泄も明らかに抑制された。ところがsecretinの投与により、胆汁分泌量ならびに胆汁酸や重炭酸の排泄の減少は有意に抑制され、胆汁うっ滞性病変の改善が認められた。これらの結果、胆汁酸は胆汁分泌をDNAレベルで調節していること、さらに、消化管ホルモンもその調節に介在することが推測された。また、secretinは胆汁量の増加作用により黄疸の軽減をはかる治療薬としての有用性が示唆された。
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