研究課題/領域番号 |
11671246
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
消化器外科学
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
大野 真司 九大, 医学部, 助手 (50203881)
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研究分担者 |
渡邊 雅之 九州大学, 医学部, 助手 (80254639)
池田 陽一 九州大学, 医学部, 助手 (50311840)
北村 薫 九州大学, 医学部, 助手 (70234276)
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研究期間 (年度) |
1999 – 2000
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研究課題ステータス |
完了 (2000年度)
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配分額 *注記 |
3,600千円 (直接経費: 3,600千円)
2000年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
1999年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
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キーワード | 食道癌 / 飲酒・喫煙 / p53 / dysplasia / シグナル伝達 / 前癌病変 / 癌抑制遺伝子 / 癌遺伝子 |
研究概要 |
食道癌は前癌病変・癌初期像とされるdysplasiaを伴うという病理学的特徴を有している。これらの特徴に着目し、本研究は食道癌特に多発病変やdysplasiaにおける遺伝子異常と発癌危険因子との関係を検索し、食道癌発癌機構解明を目的とするものである。対象は、術前無治療で食道切除術を施行された表在癌69例とした。すべての癌部、dysplasia部に関してp53免疫染色を行った。各症例の危険因子(飲酒、喫煙歴)を調査し、(1)食堂内多発癌の頻度(2)dysplasiaの併存頻度(3)dysplasiaの平均個数(4)主癌部がp53陽性の症例の頻度(5)p53陽性のdysplasiaの頻度との関連について検討した。危険因子は、喫煙指数500以上且つ飲酒指数100以上である群をhigh risk群とした。 結果は、(1)表在癌症例では、high risk群のみに多発癌症例が認められた(p=0.0003)。また、high risk群は他の群に比較し、(2)dysplasiaの併存頻度が高く(p=0.025)、(3)dysplasiaの個数が多く(p=0.009)、(4)癌部のp53陽性症例の頻度が高く(p=0.0025)、(5)p53陽性dysplasiaの率が高かった。以上よりdysplasiaの発生には、飲酒喫煙といった危険因子への暴露による食道上皮のp53異常が関与し、その一部に癌化が生じているという過程が考えられた。 (今後の予定) p53、p16、CyclinD1、CyclinE、TGF-β1receptor、Smad、Ki-67、HGF、c-Met蛋白といった癌遺伝子、癌抑制遺伝子、シグナル伝達に関与する遺伝子などに関して検討し、正常粘膜、異型上皮及び上皮内癌における遺伝子変異や増殖活性の差異を調べる。それらの結果より異型上皮の前癌病変としての意義を明らかにし、食道癌発癌機構解明を目指す。
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