研究課題/領域番号 |
11671269
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
消化器外科学
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研究機関 | 埼玉医科大学 |
研究代表者 |
村上 三郎 埼玉医科大学, 医学部, 助教授 (00240987)
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研究分担者 |
平山 廉三 埼玉医科大学, 医学部, 教授 (10014317)
辻 美隆 埼玉医科大学, 医学部, 講師 (40227400)
坂田 秀人 埼玉医科大学, 医学部, 講師 (10255101)
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研究期間 (年度) |
1999 – 2002
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研究課題ステータス |
完了 (2002年度)
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配分額 *注記 |
3,400千円 (直接経費: 3,400千円)
2002年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
2001年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
2000年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
1999年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
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キーワード | 胃癌 / IL-2R / Tac抗原 / サイトカイン / 大腸癌 / 腸管免疫 |
研究概要 |
腫瘍部位において活性化されたT-lymphocyteによりInterleukin-2(IL-2)が産生されるがこのIL-2が特異的膜レセプターと結合し、その一部が可溶性Interleukin-2 Receptor(sIL-2R)として循環血液中に漏出してくる。今回、ELISA法によるセルフリーIL-2R測定キットを使用し、胃癌患者215例の血中sIL-2R値を測定した。その結果、リンパ節転移陽性症例で有意に高値を示すことが確認された。さらに、74例の早期胃癌患者における血中sIL-2R値の測定を行い、主としてリンパ節転移の有無との関係について検討した。リンパ節転移陽性の6例中5例がsIL2R値陽性で、リンパ節転移陰性症例68例中43例で血中sIL-2R値が陰性であった。このことは、転移リンパ節内で癌細胞の刺激を受け、多量の可溶性IL-2Rが血中に放出されている事を示していると判断される。また、19例については手術時に切除された標本の一部を用いて、IL-2R/Tac抗原に対る抗体(monoclonal mouse anti-human IL-2R)を使用し免疫組織染色を行った。胃癌19例中13例で、癌組織の間質中にIL-2R/Tac抗原陽性細胞が確認された。転移リンパ節においても同様の所見が得られた。一方、正常胃組織の間質や非転移性リンパ節ではこのようなIL-2R/Tac抗原陽性細胞を認めなかった。この事実は、上述したリンパ節転移陽性胃癌症例の血中sIL-2R値がリンパ節転移陰性症例に較べて高値を示す根拠を示すものと判断される。以上の結果を踏まえ、155例の大腸癌の血中sIL-2R値の測定と18例の大腸癌組織におけるIL-2R/Tac抗原陽性細胞に関する免疫組織染色を行ったところ、ほぼ同様の結果が得られた。このことより、消化器癌においては、癌細胞から放出されたhumoral mediatorを介してTリンパ球が刺激を受けることによって活性型Tリンパ球となり、腸管における細胞性免疫を駆使して抗腫瘍性免疫を賦活化しているものと思われた。
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