研究課題/領域番号 |
11671295
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
消化器外科学
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研究機関 | 産業医科大学 |
研究代表者 |
伊藤 英明 産業医科大学, 医学部, 教授 (90038852)
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研究分担者 |
中山 善文 産業医科大学, 医学部, 助手 (50279337)
永田 直幹 産業医科大学, 医学部, 助教授 (80200377)
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研究期間 (年度) |
1999 – 2000
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研究課題ステータス |
完了 (2000年度)
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配分額 *注記 |
3,300千円 (直接経費: 3,300千円)
2000年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
1999年度: 1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
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キーワード | 大腸癌 / 肝転移 / レチノイド / TAC-101 / 腫瘍血管新生 / apoptosis / VEGF / 肝転移抑制 / アポトーシス / 血管新生阻害剤 |
研究概要 |
大腸癌の予後規定因子として肝臓や肺への血行性転移は大きな割合を占めている。癌の血行性転移は複雑なものである。これらの転移過程を調べるために、我々は血管内皮細胞を使用したin vitro浸潤アッセイと、大腸癌のラット肝転移モデルにおける動物実験用Magnetic resonance imaging(MRI)を使用した肝転移巣の経時的評価法を開発し発表してきた。一方、レチノイドは多くの生理活性を有する物質であるが、中でも細胞分化制御作用と制癌作用が注目されている。今回使用した合成レチノイドTAC-101において、ヒト大腸癌細胞株を使用したマウス肝転移実験で、肝転移を抑制することが報告されていが、そのメカニズムはいまだ不明の点が多い。我々は、大腸癌切除後の肝転移におけるTAC-101の予防効果に焦点を絞り込み、ラット肝転移モデルにおける肝転移巣を動物実験用MRIや免疫組織学的手法を用いて詳細に評価し、解析した。結果としては以下の通りであった。 (1)TAC-101の4週間投与において、コントロール群で83%(5/6)、TAC-101投与群では20%(1/5)に肝転移巣が認められた。 (2)コントロール群とTAC-101群の肝転移巣における微小血管密度はそれぞれ38.6±5.03、23.6±3.85であった。 (3)肝転移巣におけるVEGF発現はコントロール群に比べTAC-101群で減少していた。 (4)肝転移巣のapoptotic indexはコントロール群で4.40±3.36、TAC-101群で8.40±2.97であった。 (5)肝転移巣のFASの発現はコントロール群に比べTAC-101群で著明に増加していた。 以上よりTAC-101はVEGFの発現を変化させることによる血管新生抑制作用とFASを介してapoptosisを誘導する作用によって、肝転移抑制効果を示すことが示唆された。
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