研究課題/領域番号 |
11671299
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
消化器外科学
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研究機関 | 国立小児病院(小児医療研究センター) |
研究代表者 |
絵野沢 伸 国立小児病院, 小児医療研究センター・実験外科生体工学部, 室長 (40232962)
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研究分担者 |
奥山 虎之 国立小児病院, 小児医療研究センター・先天異常研究部, 室長 (40177192)
梨井 康 国立小児病院, 小児医療研究センター・実験外科生体工学部, 研究員 (60321890)
鈴木 盛一 国立小児病院, 小児医療研究センター・実験外科生体工学部, 部長 (00111386)
三谷 匡 国立小児病院, 小児医療研究センター・実験外科生体工学部, 科技庁開放融合研究員
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研究期間 (年度) |
1999 – 2000
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研究課題ステータス |
完了 (2000年度)
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配分額 *注記 |
3,700千円 (直接経費: 3,700千円)
2000年度: 1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
1999年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
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キーワード | 子宮内胎児操作法(IUM) / 肝 / ラット / 遺伝子導入 / 胎児治療 / 羊膜細胞 / 細胞移植 / 細胞療法 |
研究概要 |
ラット胎児肝は形態形成、細胞増殖の途上であること、子宮外膜を通して容易に視認できること、等、生物学的・技術的に好適な研究素材である。一方、羊膜上皮細胞は神経組織あるいは肝組織での遺伝子治療の遺伝子キャリア細胞としての可能性が提示されている。その利点としては、1)ヒト組織として採取・利用上の倫理的問題が少ない、2)神経あるいは肝細胞様分化を示す細胞が存在する、3)凍結保存が可能、4)長期間組織に定着する、等が挙げられる。しかしながら、先天性代謝異常症の治療に必要な大量の細胞を成体の肝へ移植することは塞栓の形成等の危険があり難しい。そこで、ラット胎児肝への羊膜細胞移植として実験系を組み、その応用可能性を検討した。ラット羊膜細胞にはアルブミン陽性の細胞集団が見出され、ヒト羊膜細胞同様に肝内細胞移植に使用可能と考えられた。羊膜細胞を種々の胎齢の胎児より分離し、分裂回数、テロメラーゼ活性、凍結保存の可否を調べた。分裂はおよそ2.7回で終了するがその後も2カ月程度同じ形態を保って生存した。また凍結保存細胞も良好な培養が可能であった。テロメラーゼ活性は若い胎齢のものほど高かった。実際の臨床応用を考えると若齢胎児由来の細胞は採取できないのでテロメラーゼの導入等の操作が必要と考えられた。胎齢18.5日〜20.5日のLEWラット羊膜上皮細胞を、同系胎児(18.5〜20.5日令)の肝内に子宮膜を通して直接移植した(移植細胞数1〜8×10^6/10〜25μl)。細胞移植後の出産生仔率は24〜85%であった。この生仔率の減少は細胞移植技術の向上により補いうると考えられた。移植細胞は、移植14日後までは集塊を作って生着した。さらに1カ月後には分散し生着していた。以上より、羊膜上皮細胞を遺伝子キャリアとするとウィルスベクター単体の投与より長期間移入遺伝子産物が肝内に見られることがわかった。
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