研究課題/領域番号 |
11671317
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
胸部外科学
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
田中 文啓 京都大学, 医学研究科, 助手 (10283673)
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研究分担者 |
和田 洋巳 京都大学, 医学研究科, 教授 (90167205)
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研究期間 (年度) |
1999 – 2000
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研究課題ステータス |
完了 (2000年度)
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配分額 *注記 |
2,600千円 (直接経費: 2,600千円)
2000年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
1999年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
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キーワード | ポリシアル酸 / STX / 神経細胞接着分子 / 肺癌 / 転移 / 予後因子 / ホリシアル酸 / 原発性肺癌 / 糖鎖 / 接着因子 / ポリシアル酸転移酵素 |
研究概要 |
原発性肺癌におけるポリシアル酸およびその転移酵素の発現の意義を検討し、以下の点を明らかにした。 1、非小細胞肺癌においてポリシアル酸発現が病期の進展、特にリンパ節転移や遠隔転移の成立に大きな役割を果たしていることを示した。またこのような非小細胞肺癌細胞表面に発現しているポリシアル酸は、通常ポリシアル酸付加が行われる神経細胞接着分子NCAMとは異なった分子上にその発現が見られる可能性を明らかにした。 2、ポリシアル酸発現に関わるポリシアル酸転移酵素はこれまでにPSTとSTXの2つがクローニングされているが、このうちPSTは正常肺および肺癌組織中に恒常的にその遺伝子発現が見られるた。これに対して、STXの遺伝子発現は正常肺には認められず、小細胞肺癌では全例に、非小細胞肺癌では進行期症例に特異的に認められることを明らかにした。 3、非小細胞肺癌切除例の検討において、ポリシアル酸の発現は予後不良を規定する有意な予後因子であることも明らかにした。 4、小細胞肺癌においてはポリシアル酸の発現は大部分の症例で認められ、一方、同じ神経内分泌腫瘍の範疇に属するカルチノイド腫瘍等の低悪性度腫瘍ではその発現は殆ど認められなかった。更に、小細胞肺癌においても非小細胞肺癌におけるのと同様、ポリシアル酸発現は予後不良を規定する有意な因子であった。 以上の知見は、原発性肺癌においてポリシアル酸はその転移能と密接に関与し、ポリシアル酸やその転移酵素の発現が予後因子となりうると同時に、原発性肺癌治療における新たな分子標的となりうる可能性を示唆した。
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