研究課題/領域番号 |
11671324
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
胸部外科学
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研究機関 | 岡山大学 |
研究代表者 |
佐野 俊二 岡山大学, 医学部, 教授 (50235438)
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研究期間 (年度) |
1999 – 2000
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研究課題ステータス |
完了 (2000年度)
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配分額 *注記 |
2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
2000年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
1999年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
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キーワード | 心停止ドナー / 心移植 / 心保存 / 常温虚血 / 虚血再灌流障害 / 心機能 / ニコランジル / 虚血再灌流 / 再潅流 |
研究概要 |
本研究では呼吸停止による心停止ドナーからの心移植モデルを用い、常温虚血に対する種々の心筋保護法を移植後の心機能を評価する事により検討した。 【方法】雑種成犬を24頭(donor12頭、recipient12頭)を用いた。開胸後まず移植前の心機能評価を行った。人工呼吸停止により呼吸停止とし、脈圧0にて心停止とした。30分間の常温虚血後、St.Thomas液にて冠動脈をwash outした。4℃にて浸漬保存し、心虚血時間が4時間となるよう同所性に移植を行った。実験群ではK-channel openerであるnicorandilを呼吸停止後心停止までに100μg/kgをbolus投与と25μg/kg/minを静脈内持続投与した。またSt.Thomas液中にも0.05μMのmicorandilを加えた。対照群ではnicorandilは投与しなかった。心機能は呼吸器停止前(移植前)と体外循環離脱後(移植後)に、左室に挿入したコンダクタンスカテーテルおよびマイクロチップマノメーターより得られた左室圧容積関係解析により評価した。 【結果】全例体外循環より離脱可能であった。移植後の実験群の左室収縮末期圧、maxpositive dp/pt、心係数は対照群に比し有意に高かった(左室収縮期圧:99±19vs72±16mmHg、p=0.026、max positive dp/pt:2016±607vs1152±570mmHg/sec、p=0.029、心係数:2.8±1.1vs1.5±0.5L/min/m2、p=0.027)。 【結論】呼吸停止による心停止ドナーにおいて、nicorandilを呼吸停止前および心筋保護液内への投与することにより、移植後の心機能が改善されることが明らかになった。心筋の常温虚血が最大の問題である死体心移植を現実化する上でnicorandilは有用な心筋保護薬の一つとなり得ることが示唆された。
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