研究概要 |
プロトンポンプ・インヒビターによる肺移植後の気道リモデリングの予防 同種異所性気管移植と同時期にbafilomycin200μg/kg/dayを21日間,腹腔内投与した.同種気管移植後23日目にrecipintのLewis ratを屠殺し,皮下,腹腔内それぞれに存在する気管の内膜組織をHE染色にて観察した.【結果】bronchiolitis obliterans類似病変に関しては組織学的にbronchiolitis obliterans類似の所見を呈し気管内腔の狭小化がみられるものが半数以上にみられたが,病変完成の割合いは一定しなかった.bronchiolitis obiterans類似病変が比較的多く発生した同種気管腹腔内移植時群では移植後23日目にbafilomycin投与群の方がbronchiolitis obliteransの発生が抑制されている傾向がみらられプロトンポンプ・インヒビター(bafilomycin)による気管移植後の内腔狭窄の予防効果はあると考えられた.しかし,本実験モデルは本来のヒト肺移植後にみられる末梢気道のBOではなく中枢気道の気管に作製された狭窄病変でありモデルとしての課題が残った. ラット同所性肺移植後BO発生に関するニトロチロシン免疫染色を用いた検討 (A)isograft作製: Lowisラットの左肺をLewisラットに同所性移植(B)allograft作製: Brown Norwayラットの左肺を: Lewisラットに同所性移植し免疫抑制剤(シクロスポリン)を投与した.2群において移植後BO発生の状態をニトロチロシン免疫染色にて検討した【結果】ラット肺移植後のBO発生時期:BO発生率は一定せず低率であり最終目標であるプロトンポンプ・インヒビターによる肺移植後の気道リモデリングの予防実験を施行する為のBOモデル作成には今後更に工夫が必要と考えられたが,BO完成の時期についてはBrown Norwayラットの左肺をLewisラットに同所性移植した(B)群allograftにおいて肺移植後90日目であることが解った.今回の実験はここで終了したが今後は本モデルを使用したリモデリング予防実験を行いたい.
|