研究課題/領域番号 |
11671350
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
脳神経外科学
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
黒田 敏 北海道大学, 医学部・附属病院, 助手 (10301904)
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研究分担者 |
宝金 清博 北海道大学, 大学院・医学研究科, 助教授 (90229146)
多田 光宏 北海道大学, 遺伝子病制御研究所, 助教授 (10241316)
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研究期間 (年度) |
1999 – 2001
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研究課題ステータス |
完了 (2001年度)
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配分額 *注記 |
3,600千円 (直接経費: 3,600千円)
2001年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
2000年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
1999年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
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キーワード | 脳虚血 / ミトコンドリア / 神経細胞死 / チトクロームC / bcl蛋白 / チトクローム / mitochondria / permeability transition / calcium / ischemia / reperfusion / free radical / cytochrome c / cyclosporin A |
研究概要 |
脳虚血におけるmPTの役割を詳細に検討する目的で、以下の実験を行なった。まず、げっ歯類では海馬CA1神経細胞が虚血に対してきわめて脆弱であるが、その機構にmPTが関与しているとの仮説を検証した。海馬と新皮質からミトコンドリアを単離し、カルシウム負荷によって生じるmPTを吸光度の変化として観察したが、両者のミトコンドリアのカルシウム感受性に明らかな差は認められなかった。そこで、カルシウム負荷にともなってミトコンドリアから放出されるcytochrome cをELISAを用いて定量的に測定したところ、海馬由来のミトコンドリアから有意に多量のcytoshrome cが放出されていることが判明した。その差がどこから生じるのかを明らかにするため、両者由来のミトコンドリアにおけるbcl-2関連蛋白の量をWestern blot法により解析した。その結果、海馬由来のミトコンドリアはbcl-XLの保有量が少ないことが判明した。この結果は現在、国際誌への投稿準備中である。 以上の結果から、脳虚血による神経細胞死にはmPTそのものよりも、mPTにともなってミトコンドリアから放出される細胞死関連蛋白質やbcl-2関連蛋白が大きな役割を果たしていることが推測された。それをさらに検討する目的で、マウス中大脳動脈閉塞による脳梗塞モデルを確立し、calcineurin抑制剤であるFK506を投与した。その結果、脳梗塞は虚血周辺部で有意に縮小することが判明した。Calcineurinの抑制はbad蛋白の脱リン酸化・mPTの誘発を抑制することで、脳虚血による細胞死を抑制していると考えられ、その分子機構をWestern blot法、免疫染色にて解析中である。結果の一部は、米国脳卒中学会で発表した。近日中に誌上発表の予定である。
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