研究課題/領域番号 |
11671361
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
脳神経外科学
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研究機関 | 福井医科大学 |
研究代表者 |
久保田 紀彦 福井医科大学, 医学部, 教授 (70092781)
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研究分担者 |
北井 隆平 福井医科大学, 医学部, 助手 (80251990)
佐藤 一史 福井医科大学, 医学部・附属病院, 講師 (60187177)
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研究期間 (年度) |
1999 – 2000
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研究課題ステータス |
完了 (2000年度)
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配分額 *注記 |
3,600千円 (直接経費: 3,600千円)
2000年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
1999年度: 2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
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キーワード | 神経膠腫 / VEGF / Flk-1 / 血管新生 / 脳浮腫 / 予後 / antisense / oligomer |
研究概要 |
「目的、方法」神経膠腫では悪性度が高いほど血管増殖や腫瘍周囲脳浮腫が著しいことが知られており、その分子機序、臨床意義は未だ充分には解明されていない。今回、我々は強力な血管新生と血管透過促進の二重作用を有するVEGFに注目し、剖検正常脳3例及び神経膠腫50例を用い、VEGFとそのreceptorであるFlt-1、Flk-1の発現を免疫組織化学、分子生物学的に調べ、血管密度、脳浮腫及び臨床予後との相関を検討した。またT98G glioblastoma培養細胞を用い、VEGF antisense oligomerの抗腫瘍効果をin vitroで試みた。「結果」1.VEGF発現は腫瘍細胞、Flt-1とFlk-1発現は血管内皮細胞に限局して認められた。2.正常脳においては、VEGF、Flt-1とFlk-1発現のいずれも検出できず、神経膠腫においては、VEGFとFlk-1の発現は腫瘍悪性度とよく相関した。3.VEGFとFlk-1陽性群の血管密度と脳浮腫率は陰性群のと比べそれぞれ有意に高かった。4.VEGFとFlk-1陽性群の平均生存時間は陰性群のと比べそれぞれ有意に短かった。またLow grade astrocytomaにおいては、VEGFとFlk-1陽性群の再発までの平均時間は両者の陰性群に比しそれぞれ有意に短かった。5.In vitroでは、VEGF antisense oligomer投与にてT98G細胞のVEGF産生を完全にblockできたが、腫瘍細胞への直接増殖抑制作用は示さなかった。「考察」VEGFは主にFlk-1を介し神経膠腫の血管新生と血管透過を促進する。VEGFとFlk-1は神経膠腫予後の予測に有用なcytokineである。VEGFを標的とした遺伝子治療は画期的な抗腫瘍効果が期待されうると考えられ、今後VEGF antisense oligomerの抗腫瘍効果をin vivoでさらに検討する予定である。
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