研究課題/領域番号 |
11671362
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
脳神経外科学
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研究機関 | 山梨医科大学 |
研究代表者 |
長沼 博文 山梨医科大学, 医学部, 助教授 (90189142)
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研究分担者 |
佐々木 厚 山梨医科大学, 医学部, 助手 (80240787)
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研究期間 (年度) |
1999 – 2000
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研究課題ステータス |
完了 (2000年度)
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配分額 *注記 |
3,600千円 (直接経費: 3,600千円)
2000年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
1999年度: 2,700千円 (直接経費: 2,700千円)
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キーワード | 悪性glioma / トロンボスポンジン / transforming growth factor-β / 合成ペプチド / 浸潤能 / enzyme-linked immunosorbent assay / ELISA / 腫瘍浸潤能 |
研究概要 |
本研究を行った背景として、glioma組織ではthrombospond in-1(TSP-1)とtransforming growth factor-β(TGF-β)の発現が悪性度が増すにつれ増加すること。(Neuropathology 20:161,2000)又、TSP-1はTGF-βを活性化することがわかっているが、悪性glioma細胞でもTSP-1がTGF-βの活性化に大きく関わっている可能性があると考えられた。これらのことから、中和抗体を用い、in vitroで悪性glioma細胞の産生するTGF-βの活性化を阻害できるかどうか、又、TSP-1分子の中の接着機能を持つ部分と同じ配列の合成peptideを用いて悪性glioma細胞の移動能を阻害できるかどうかを検討した。又、TSP-1測定のためにenzyme-linked immunosorbent assay(ELISA)を確立し、glioma細胞培養上清中の濃度を測定した。 1)TGF-β活性化におけるTSP-1の役割の解析 悪性glioma細胞の培養上清中に、抗TSP-1中和抗体(mouse monoclonal抗体、或いはrabbit抗体)を加え、ELISAにて活性型TGF-βを測定した。その結果、中和抗体を加えることにより、抗体の濃度依存性に活性型TGF-βの濃度が減少し、TGF-βの活性化にTSP-1が関与していることが示された。(Neurol Med Chir(Tokyo),in press) 2)合成ペプチドによる悪性glioma細胞の移動能抑制実験 TSP-1分子には11カ所の他の分子との結合部位が知られている。そのうち3つの結合部位と同じアミノ酸配列を持つ合成ペプチドを合成し、細胞の移動能を抑制するかどうかを検討した。その結果、2つのTSP-1を産生することがわかっているglioma細胞株(T98G,A172)で、細胞の移動能が用量依存性に抑制された。この結果は、antisense TSP-1 cDNAを導入した細胞で同様に細胞の移動能が抑制された事実と一致した。 3)TSP-1測定の為のELISAの確立。 mouse抗TSP-1抗体及びrabbit抗TSP-1抗体を用いたsandwich ELISAを確立した。悪性glioma9細胞株での培養上清中のTSP-1濃度を測定したところ、43-2431 ng/1x10^6cells/24 hours(643±838;mean±SD)であった。悪性melanoma細胞株(DFB)では7.6ng/1x10^6cells/24 hoursと低値であった。悪性glioma患者の血中の濃度については、現在sampleを集めているところである。今後、他の悪性腫瘍細胞株でのTSP-1産生を評価し、悪性glioma細胞株とTSP-1産生量の比較を行いたい。
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