研究課題/領域番号 |
11671365
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
脳神経外科学
|
研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
若林 俊彦 名古屋大学, 医学部, 助教授 (50220835)
|
研究分担者 |
吉田 純 名古屋大学, 大学院・医学研究科, 教授 (40158449)
|
研究期間 (年度) |
1999 – 2001
|
研究課題ステータス |
完了 (2001年度)
|
配分額 *注記 |
3,400千円 (直接経費: 3,400千円)
2001年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
2000年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
1999年度: 1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
|
キーワード | 温熱療法 / マグネタイト / 脳腫瘍 / リポソーム / 免疫誘導 / ヒステレーシス損失 / 正電荷リポソーム / 熱ショックタンパク質 / 免疫 |
研究概要 |
Magnetiteを用いた脳腫瘍温熱療法では腫瘍内へ如何に拡散させうるかが大きな鍵となる。今まで機能性磁性微粒子(magnetite)をリポソームに包埋する事で、腫瘍組織内への拡散能力を高め、高周波磁場処理によるヒステレーシス損失を利用して発熱させ、腫瘍内拡散による細胞内加温法を利用した脳腫瘍温熱療法の有効性につき検討してきた。その結果、1)正電荷脂質包埋マグネタイト{magnetite cationic liposome(MCL)}を用いた方法により腫瘍細胞内のマグネタイト取り込み効率が上昇し、抗腫瘍効果が高まる。2)高周波磁場処理下で腫瘍内に於けるMCLの拡散が顕著であり、磁場処理を重ねるごとに周囲への拡散が進行するため広範囲の温熱効果が期待できる。3)ラットグリオーマ細胞のラットの大腿部皮下移植腫瘍に対する実験では、腫瘍の完全退縮が得られ、また腫瘍内に注入したMCLの増殖中の腫瘍細胞における高い移行率が確認された。4)ヒトグリオーマ細胞のヌードマウスの脳内移植腫瘍に対する反復投与実験では、6回投与群では治癒率100%、3回投与群にも腫瘍径の縮小が認められ、脳内において増殖しているグリオーマに対する有効性が証明された。5)温熱処理による腫瘍細胞の直接的な殺細胞効果と共に、温熱処理によって免疫誘導を促し免疫能を獲得していることが確認された。しかし、脳腫瘍のように頭蓋骨に囲まれた限局した部分に本治療を応用する際には、magnetiteを簡便的確に注入出来るような性状とし、しかも温熱療法が有効であるほどの濃度を維持できながらも、より容量の少ない状態で脳腫瘍内に投与することが必要であった。今回マグネタイトの新しい材型であるstick typeを用いて温熱療法の効果を検討したが、stick typeは固形製剤であるにも拘わらず、脳腫瘍内での拡散は良好であった。この結果より、発熱量が大きく、腫瘍内で充分な拡散が得られ、かつtargetingが容易な固形芯状製剤であるstick type CMC-magnetiteの脳腫瘍モデルに対する温熱療法臨床応用への応用の可能性が示唆された。
|