研究概要 |
1.GCT細胞株としてPA-1(AccCC CRL-1572),NEC8(JCRBO250,ヒューマンサイエンス振興財団),NCCIT(ATCC CRL-2073),Terai(ATCC HTB-105),NTERA2(ATCC CRL-1973),T3M-3(理化学研究所細胞開発銀行RCM1018[7])の6株を入手した. 2.CDDPとの24時間接触による感受性試験を行なった結果,PA1,NTERA2,およびNCCITが高感受性群に,T3M-3,Tera1が中間群に,NEC8が低感受性群に分類された.コントロールとして用いたグリオーマ細胞株7株のうち高感受性群に分類されたものはSF188のみで,他は全て低感受性群であった. 3.Etoposideに対しても同様の実験を行なった結果,胚細胞腫瘍細胞株はすべて高感受性群に分類され,グリオーマ細胞株では2株のみ解析したがいずれも低感受性群であった. 3.Etoposideに対しても同様の実験を行なった結果,胚細胞腫瘍細胞株はすべて高感受性群に分類され,グリオーマ細胞株では2株のみ解析したがいずれも低感受性群であった. 4.細胞株におけるGML発現を解析した.コントロールに用いたhuman testis total RNAではGMLの発現を認めたが,報告されているGML発現陽性の食道癌細胞株TE2およびTE13を含めて,全ての細胞株でGMLの発現を認めることが出来なかった.RT-PCRの反応条件を種々に変え試みたが成功しなかった.Komiyaらの方法によってnested PCRの手法を用いた際に一度だけ,陽性コントロールであるべきTE2にGMLの発現を認めたが再現性がなかった.Methylationなどによる培養下での発現抑制がかかっているのではないかと推察した. 5.頭蓋内胚細胞腫瘍手術材料に於けるGML発現を解析した.埼玉医科大学および関連病院にて手術された胚細胞腫瘍10例を用いたが,1例のgeminomaのみにGMLの発現を認め,9例では発現を認めなかった. 以上より,胚細胞腫瘍の抗癌剤感受性におけるGML蛋白の関与は少ないものと考えた.
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