研究課題/領域番号 |
11671397
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
脳神経外科学
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研究機関 | 日本大学 |
研究代表者 |
山本 隆充 日本大学, 医学部, 助教授 (50158284)
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研究分担者 |
越永 守道 日本大学, 医学部, 講師 (30267067)
川又 達朗 日本大学, 医学部, 講師 (20234122)
片山 容一 日本大学, 医学部, 教授 (00125048)
加納 恒男 日本大学, 医学部, 講師 (40277413)
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研究期間 (年度) |
1999 – 2002
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研究課題ステータス |
完了 (2002年度)
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配分額 *注記 |
3,600千円 (直接経費: 3,600千円)
2002年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
2001年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
2000年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
1999年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
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キーワード | 脳挫傷 / 白血球 / 血管内皮 / P-selectin / vinblastin / 免疫抑制剤 / 脳浮腫 / ラット / myeloperoxidase活性 / 脳血流 / 血栓形成 / 免疫抑制薬 |
研究概要 |
脳挫傷では、受傷後に一次脳損傷の周囲の広い範囲に、二次性の細胞障害が広がっていく現象が観察される。本研究では、この二次性脳損傷の進行に、血管内皮への多核白血球の接着とそれに伴う血管内皮障害、さらには脳実質内への白血球の遊走が関与しているのではないかという仮説を立て、その証明のために一連の実験を行った。脳挫傷の動物モデルは、ラットのcontrolled cortical impact(CCI) modelを用いた。観察した事象は、組織標本における組織への白血球の遊走・集簇の程度、挫傷性壊死の程度(体積)、白血球集簇のマーカーであるmyeloperoxidase活性、脳浮腫形成の程度である。白血球の遊走、ならびに白血球が組織侵襲に関与する過程を修飾する目的で、1)vinblastinの前投与により好中球数を減少させた動物、2)免疫抑制剤(cyclosporin A, FK506)を脳挫傷作成直後に投与した動物、3)白血球の血管内接着に関与していると考えられているP-selectinに対する中和抗体を投与した動物に、おいて観察を行った。FK506 1mg/kgの投与により、脳浮腫の軽減、挫傷壊死体積の減少が観察されたが、10mg/kgの投与量では、脳保護効果は消失した。Cyclosporin Aは脳保護効果を示す傾向をみせたが有意ではなかった。白血球減少ラット、P-selectin抗体投与では、白血球の集簇は著明に抑制され、また脳浮腫形成、挫傷壊死体積ともに有意の減少を示した。この中では、P-selectin抗体の脳保護効果が最も顕著であった。以上の結果は、脳挫傷における二次性脳損傷の進行には、血管内皮への多核白血球の接着と、それに伴う血管内皮障害、さらには脳実質内への白血球の遊走が関与しており、この過程を抑制することは、脳挫傷の治療につながる可能性があることを示している。
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