研究課題/領域番号 |
11671400
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
脳神経外科学
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研究機関 | 朝日大学 |
研究代表者 |
安藤 隆 朝日大学, 歯学部, 教授 (90126722)
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研究分担者 |
山田 実貴人 朝日大学, 歯学部, 助手 (40308672)
久保田 芳則 朝日大学, 歯学部, 助教授 (60278207)
坂井 昇 岐阜大学, 医学部, 教授 (10021487)
篠田 淳 岐阜大学, 医学部, 助教授 (50273131)
竹中 勝信 岐阜大学, 医学部, 助手 (00283292)
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研究期間 (年度) |
1999 – 2000
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研究課題ステータス |
完了 (2000年度)
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配分額 *注記 |
2,800千円 (直接経費: 2,800千円)
2000年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
1999年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
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キーワード | 頭蓋内原発悪性リンパ腫 / 腫瘍マーカー / soluble CD27 / soluble IL-2R / ELlSA / 髄液 / 免疫不全患者 / ELISA / 頭蓋内悪性リンパ腫 / solubleCD27 |
研究概要 |
中枢神経系原発悪性リンパ腫(PCNSL)は、免疫不全状態にある患者のみならず免疫不全の無い患者においても近年その症例数は増加傾向にある。現在、本疾患の確定診断は生検あるいは摘出術といった観血的処置により得られた材料の組織診断によってなされている。一方、本疾患の治療の主軸は放射線および化学療法であることより、不用な侵襲を避けるべく観血的処置によらない信頼できる新たな診断法の開発が望まれる。CD27はtumor necrosis factor receptor familyに属するI型膜貫通型蛋白であり、末梢血T細胞、胸腺細胞、ある種のB細胞サブセットの細胞表面に発現している蛋白である。TCR/CD3 complexを介したT細胞の活性化により、T細胞表面のCD27の発現が誘導されるが、これと同時に細胞表面よりCD27の可溶化成分であるsoluble CD27(sCD27)が放出される。近年、ヒト腫瘍化B細胞表面にもCD27が豊富に存在することが示され、B細胞系悪性腫瘍患者の血清中にsCD27が増量していることが明らかとなった。そこで我々は、PCNSL患者およびその他の神経疾患患者より髄液を採取し、髄液中のsCD27がPCNSLの腫瘍マーカーとなり得るか否かを検討した。具体的には、PCNSL患者とPCSLN以外の脳腫瘍患者および炎症性神経疾患患者、さらには脳腫瘍または炎症性神経疾患以外の神経疾患患者を対象にPCSLN患者における髄液中sCD27の腫瘍マーカーとしての有用性を独自に開発したenzyme-linked immunosorbent assay(ELISA)法を用いて検討するとともに、髄液中solubleinterleukin-2receptor(sIL-2R)濃度とsCD27濃度のPCSLNに対するマーカーとしての有用性を比較検討した。その結果、本研究で使用したassay系の感度及び特異性は非常に高く、sCD27の本疾患に対する腫瘍マーカーとしての意義は高いと考えられた。ただし炎症性神経疾患患者でもcut-off値以上のsCD27値を示したが、この点については髄液中の白血球数で両疾患の鑑別は可能であると考えられた。また髄液中のsIL-2RもPCNSL群において高値を示したが感度、特異性ともにsCD27よりも低く、腫瘍マーカーとしてはsCD27の方が有用であると考えられた。更にsCD27は画像上の病変の推移とも良く相関を示しており、本疾患の新たな診断法として非常に有用であることが明らかとなった。
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