研究課題/領域番号 |
11671420
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
整形外科学
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
星地 亜都司 東京大学, 医学部・附属病院, 講師 (70236066)
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研究分担者 |
五嶋 孝博 東京大学, 医学部・附属病院, 講師 (20272544)
中村 耕三 東京大学, 医学部・附属病院, 教授 (60126133)
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研究期間 (年度) |
1999 – 2001
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研究課題ステータス |
完了 (2001年度)
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配分額 *注記 |
3,600千円 (直接経費: 3,600千円)
2001年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
2000年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
1999年度: 2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
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キーワード | Spinal cord injury / Angiogenesis / Spinol cord injvry / angiogenesis / spinal cord injury |
研究概要 |
1.ネコにおける脊髄損傷の程度を電気生理学的に評価する方法を確立するために実験を行った。ネコの上位頚髄を刺激して腰髄および上腕二頭筋筋枝から誘発電位を記録した。腰髄から記録できる波形は脊髄後方を伝播する索路由来であり、上腕二頭筋筋枝から記録できる波形は後根を経由する電位と脊髄灰白質・前根を経由する運動路電位とから成ることが判明した。第5頚髄に後方から急性圧迫を加えた場合、頚髄灰白質を経由する電位の方がより早期に振幅の減少をきたした。このことは、血流に富む灰白質の方が、より早期にダメージを受けやすく、脊髄損傷において血流低下が損傷程度に関与している可能性を示していた。 2.神経組織血流増加作用を持つことが知られているプロスタグランジンE1を投与して脊髄損傷時に血流を確保することにより、損傷軽減効果があるかどうかを電気生理学的に検討した。実験にはネコを用い、頚髄の急性圧迫を行った。その結果、プロスタグランジンE1投与により電位回復が早期にみられた。損傷脊髄の血流をより早期に回復させることが、治療方法のひとつである可能性が示された。 3.脊髄損傷後の虚血再潅流障害には、活性化白血球による血管内皮細胞障害が重要な関与をしている可能性がある。アンチトロンビンIIIには、プロスタサイクリン産生促進により白血球の活性化を抑制し血管内皮細胞障害を軽減させる可能性がある。ラットの脊髄損傷モデルを作成し、アンチトロンビンIIIの投与効果を脊髄誘発電位、運動機能評価、組織学的検索から検討した。その結果、アンチトロンビンIIIには脊髄損傷後の誘発電位を早期より回復させ、運動機能評価、組織所見にても損傷程度を軽減させうることが判明した。 以上より、急性脊髄損傷時の脊髄内血流確保、脊髄内血管損傷の進展拡大の防止、そして損傷脊髄の損傷血管をより早期に再生させることで、脊髄損傷を軽減させうる可静性が示された。
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