研究課題/領域番号 |
11671464
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
整形外科学
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研究機関 | 鹿児島大学 |
研究代表者 |
小宮 節郎 鹿児島大学, 医学部, 教授 (30178371)
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研究分担者 |
谷口 昇 鹿児島大学, 医学部, 医員
石堂 康弘 鹿児島大学, 医学部附属病院, 医員
伊藤 博史 鹿児島大学, 医学部, 助手 (40223177)
小戝 健一郎 久留米大学, 医学部, 助手 (90258418)
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研究期間 (年度) |
1999 – 2000
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研究課題ステータス |
完了 (2000年度)
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配分額 *注記 |
3,700千円 (直接経費: 3,700千円)
2000年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
1999年度: 2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
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キーワード | 骨肉腫 / キメラベクター / 遺伝子治療 / インターロイキン2 / サイトカイン / アデノウイルス / 肺転移 / 自殺遺伝子 / アデノウイルスベクター |
研究概要 |
骨肉腫の5年生存率は60%前後でこの10数年間停滞しており、更なる飛躍的な治療成績の向上には何らかのbreak throughが必要である。従来の抗癌剤とは全く機序を異にする分子標的治療や遺伝子治療の開発が急務の課題となってきている。我々は現在有効な治療法のない骨肉腫肺転移に対する新しい治療法としての遺伝子治療の早期の臨床応用を目的として、臨床像を反映する動物モデルを作成し、自殺遺伝子治療およびサイトカイン遺伝子治療治療効果を検討した。 <研究実績>骨肉腫モデル動物の作成:マウス骨肉腫細胞株LM8をマウス皮下注入に加え尾静脈より注入することで全例に原発巣と致死的肺転移巣をおこすモデルを作成した。アデノウイルスベクター(ADV)によるヘルペスウイルスチミジンキナーゼ(HSV-tk)およびインターロイキン-2(IL-2)遺伝子治療:LM8はADVによる遺伝子導入効率が非常に低値であり、HSV-tk/GCV療法では治療効果が得られなかった。これに対しIL-2遺伝子治療は原発巣への1回のADVの注入で原発巣の増殖抑制だけでなく肺転移の著明な抑制効果を認めた。有効で副作用のないアデノウイルスの力価を立証することができ、局所や肺での抗腫瘍機序を証明した。 <考察と今後の方針>遺伝子治療の真の効果を評価するためには適切な動物モデルによる検討が必要であり、今回我々は骨肉腫の臨床像を反映する動物モデルを作製した。さらにこのモデルにおいて、ADVによる遺伝子導入効率の低い骨肉腫でもIL-2のような分泌蛋白を局所で産生させることにより遠隔転移までにも治療効果が得られることを明らかにした。今後は様々な腫瘍細胞株に対し、IL-2以外のサイトカイン遺伝子治療や、HSV-tkとのコンビネーション遺伝子治療を行い、臨床応用を目指して副作用を含めた詳細な検討、プロトコールの最適化を行っていきたい。
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