研究課題/領域番号 |
11671466
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
整形外科学
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研究機関 | 久留米大学 |
研究代表者 |
平岡 弘二 久留米大学, 医学部, 助手 (10268914)
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研究分担者 |
善明 美千久 久留米大学, 医学部, 助手 (10289465)
小宮 節郎 鹿児島大学, 医学部, 教授 (30178371)
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研究期間 (年度) |
1999 – 2000
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研究課題ステータス |
完了 (2000年度)
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配分額 *注記 |
3,400千円 (直接経費: 3,400千円)
2000年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
1999年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
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キーワード | p21 / 軟骨肉腫 / 分化 / IGF-1 / PTHrT / P21 |
研究概要 |
我々はp21が軟骨細胞の分化にどのように関与しているかを確認する目的で、豚の成長軟骨におけるp21の発現とparathyroid hormone related-peptide(PTHrP)の関連につき検討した。p21は成長軟骨帯のやや下方の肥大軟骨細胞に陽性を認め、PTHrPは増殖細胞層と連続する上方の肥大軟骨細胞に陽性を認めた。また培養軟骨肉腫細胞SW1353を使用し、PTHrPによるp21の発現への影響を確認すると、PTHrPを添加することにより、p21mRNAの発現量が抑制されることを確認した。また摘出軟骨肉腫におけるp21発現とin vitroでのp21発現の変化についてinsulin-like growth factor-1(IGF-1)による影響を検討し、軟骨肉腫の分化におけるp21の働きにつき推察した。 軟骨肉腫14例の組織切片上でのp21の発現は、分化の良いgrade1の6例中4例にその発現を認め、特にlacunaeを形成する細胞に発現を認めた。逆に分化の低いgrade2,3の症例では8例全例にp21の発現は認められなかった。次にSW-1353にIGF-1を各種濃度で添加すると、100ng/mlにて分化の指標となるsulfateの取り込みが増強された。またIGF-1添加による細胞のp21の発現をmRNA、蛋白レベルで確認すると、その発現量が濃度依存性に増強された。IGF-1が細胞の分化を促進するメカニズムの詳細は明らかではないが、この作用にp21が関与していることが示唆された。このように軟骨細胞と軟骨肉腫細胞の分化にp21の発現が影響を与えていることが推察され、軟骨肉腫の未分化な細胞にp21を強制発現させることにより、腫瘍の分化を促進し腫瘍の悪性度を低下させる可能性も考えられた。
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