研究課題/領域番号 |
11671469
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
整形外科学
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研究機関 | 産業医科大学 |
研究代表者 |
成澤 研一郎 産業医科大学, 医学部, 講師 (20269062)
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研究分担者 |
上園 保仁 長崎大学, 医学部, 講師 (20213340)
中村 利孝 産業医科大学, 医学部, 教授 (50082235)
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研究期間 (年度) |
1999 – 2002
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研究課題ステータス |
完了 (2002年度)
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配分額 *注記 |
3,600千円 (直接経費: 3,600千円)
2002年度: 200千円 (直接経費: 200千円)
2001年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
2000年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
1999年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
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キーワード | ATP / ATP受容体 / MAPK / 細胞増殖 / MG63 / メカニカルストレス / P2X受容体 / 骨芽細胞様細胞 / P2Y受容体 / PDGF / IGF-1 |
研究概要 |
本研究で、骨における細胞外ATPの作用に関して、ヒト骨芽細胞様細胞MG63を用いて、細胞外ATPがMG63の細胞増殖に及ぼす効果、並びにその作用機序について以下の点を検討した。 1.ヒト骨芽細胞様細胞において細胞外に添加したATPに細胞増殖作用があるか否かを[3H]thymidineの取り込みで調べた。2.ATPに細胞増殖作用があるとすれば骨芽細胞のいかなるATP受容体が関与しているかを各種ATP analog、各種ATP受容体antagonist、RT-PCR方を用いて調べた。3.骨芽細胞様細胞に対して細胞外ATPが細胞増殖作用以外に、蛋白合成等の細胞分化にも関与しているか否かをCa imaigimg法を用いて調べた。4.ATPの細胞増殖作用にいかなる細胞内シグナル伝達が関与するか否かをセカンドメッセンジャーの各種阻害剤およびin gelによる酵素抗体法を用いて調べた。5.機械的刺激による骨芽細胞増殖作用にATPおよびATP受容体が関与するか否かを細胞圧迫装置を用いて調べた。 上記の結果、以下の知見が得られた。1.ヒト骨芽細胞様細胞MG63細胞において、細胞外ATPはP2X5受容体を介しMAP kinaseを活性化することにより細胞増殖作用を促進し、この作用は成長因子による細胞増殖作用と相乗的に働くことが明らかになった。2.骨芽細胞様細胞における機械的圧迫の細胞増殖促進作用にはATPおよびATP受容体が関与していることが示唆された。 以上により、骨形成を促進させる環境について、どのような負荷が骨形成を促すのか、また、骨形成を促進させる薬物、特にATP作用を有する薬物の開発に着手できるような基礎的知見の提供がでた。以上の知見は高齢化社会に伴い増加している骨粗鬆症の防止とその治療、並びに骨折早期治癒につながる治療法の発展に貢献するものと考えられる。
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