研究課題/領域番号 |
11671492
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
麻酔・蘇生学
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
木村 智政 名古屋大学, 大学院・医学医学科, 助教授 (50161568)
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研究期間 (年度) |
1999 – 2001
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研究課題ステータス |
完了 (2001年度)
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配分額 *注記 |
3,900千円 (直接経費: 3,900千円)
2001年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
2000年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
1999年度: 2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
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キーワード | ニューロパシフィックペイン / CRPS / レニン・アンジオテンシン系 / アンジオテンシノーゲル / アンジオテンシン変換酵素遺伝子多型 / Bennetモデル / 自然高血圧発症ラット / アンチセンスODN / ニューロパシックペイン / アンジオテンシノーゲン / Bennefモデル |
研究概要 |
臨床研究として、現在までに行ってきたACE遺伝子多型解析に加えてAGT遺伝子多型解析を同時におこないニューロパシックペイン患者における遺伝的多様性を検討した。Complex regional Pain Syndrome(CRPS)患者から静脈血を採取し、得られたPCR産物からエクソン2に存在するM235T多型(235番のコドンがメチオニン(M)からスレオニン(T)に変化する1塩基置換)とT174M多型について解析中である。この結果AGT遺伝子多型におけるスレオニンの出現頻度は日本人では約8割とされており、現時点ではCRPS患者の分布とほぼ同一である結果を得た。 基礎研究としては、雄性SHR及びSD雄性ラットを用いて、疼痛側と非疼痛側の両下肢に熱刺激を加えて、両下肢足底の熱刺激に対する逃避時間を測定した。その結果、疼痛側では、1週目以降両群ともに有意に逃避時間が短縮した。末梢神経損傷後の疼痛過敏発現に対しては、SHRの血圧上昇を来たす遺伝的背景は影響しないことが推測された。次にSHRにアンジオテンシン2(ANG-2)1型受容体のmRNAに対するアンチセンスオリゴDNA(ODN)を脳内用い視床下部傍室核に微量注入して受容体の産生を阻止し、血圧と神経因性疼痛への影響を検討した。この結果各種刺激に対する疼痛閥値がODN投与のみでは変化しなかったことから、中枢内RA系は神経因性疼痛モデルの発症とは関連が薄かった。 以上の基礎的、臨床的研究結果からレニン・アンジオテンシン系は末梢では神経障害性疼痛に対しては促進的に作用し、中枢内ではむしろ抑制的に作用している可能性が示された。今後は治療への応用を図る予定である。
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