研究課題/領域番号 |
11671559
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
泌尿器科学
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研究機関 | 徳島大学 |
研究代表者 |
西谷 真明 徳島大学, 医学部・附属病院, 助手 (40304521)
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研究分担者 |
井上 善雄 徳島大学, 医学部, 助手 (20304511)
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研究期間 (年度) |
1999 – 2000
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研究課題ステータス |
完了 (2000年度)
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配分額 *注記 |
2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
2000年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
1999年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
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キーワード | 腎癌 / 血管新生 / 遺伝子治療 / アンジオスタチン / 動物モデル / マウス / 血管新生抑制治療 |
研究概要 |
(1)発現ベクターの導入効率およびアンジオスタチン蛋白質の発現 トランスフェクション後48時間後のGFPの発現率は45.6%と、リポフェクション法による発現ベクター導入効率は高かった(コントロール群では0%)。アンジオスタチン導入細胞の培養上清中のlysateから、58kDaと52kDaの目的のサイズのバンドが検出され、アンジオスタチン蛋白質の発現が確認された。 (2)アンジオスタチンの動物モデルでの腎癌増殖抑制効果 皮下移植腫瘍の腫瘍容積は移植後3週目で、アンジオスタチン導入群ではそれぞれコントロール群の40.3%、50.6%と有意に腫瘍細胞の増殖が抑制された(p<0.05)。さらに5週後では、アンジオスタチン導入群での腫瘍重量はそれぞれコントロール群の35.7%、26.6%と、アンジオスタチンの抗腫瘍効果はより顕著であった。2種類のアンジオスタチン導入細胞群間での腫瘍増殖抑制効果に有意差は認めなかった。 (3)アンジオスタチンのin vitroでの細胞増殖に及ぼす影響 2種類のアンジオスタチン持続発現細胞、コントロール細胞(mock-transfectant)およびRenca細胞の増殖速度はいずれも統計学的に有意差を認めなかった。さらにMTT法による生細胞数の定量でも有意差を認めなかった。以上の結果より、アンジオスタチンは細胞の増殖には直接関与しないことが示された。さらに、アンジオスタチンは腫瘍細胞のapoptosisを誘導しなかった。 (4)組織学的な血管新生抑制効果の検討 2種類のアンジオスタチン持続発現細胞およびコントロール細胞の移植後2週目で、肉眼的には、アンジオスタチン持続発現細胞が腫瘍の中心部で壊死を起こしやすい傾向を認めた。さらに組織学的には、アンジオスタチン持続発現腫瘍で、血管の管腔の縮小と、血管密度の低下を認め、アンジオスタチンが血管新生を抑制することが確認された。 以上より、アンジオスタチンは直接的な抗腫瘍効果は認めず、in vivoでの血管新生を抑制することで腫瘍細胞の増殖を抑制することが確認された。アンジオスタチンが血管新生に富む腎細胞癌の有効な遺伝子治療の手段となり得る可能性が示唆された。
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