研究課題/領域番号 |
11671576
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
泌尿器科学
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研究機関 | 奈良県立医科大学 |
研究代表者 |
植村 天受 奈良県立医科大学, 医学部, 講師 (90213397)
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研究分担者 |
吉川 和宏 愛知医科大学, 医学部, 講師 (60109759)
大園 誠一郎 奈良県立医科大学, 医学部, 助教授 (00183228)
趙 順規 奈良県立医科大学, 医学部, 助手 (90285362)
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研究期間 (年度) |
1999 – 2000
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研究課題ステータス |
完了 (2000年度)
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配分額 *注記 |
3,900千円 (直接経費: 3,900千円)
2000年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
1999年度: 2,600千円 (直接経費: 2,600千円)
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キーワード | 腎細胞癌 / 特異的免疫療法 / MN / CA9 / 抗原ペプチド |
研究概要 |
われわれは、腎細胞癌に高率に発現している癌関連抗原MN/CA IXを標的とした特異的癌免疫療法をめざし、MN強制発現マウス腎癌モデルの作製、MN特異的抗体の作製およびスクリーニングを行ってきた。本研究では、HLA-A24拘束性のMN抗原ペプチドを合成し、腎癌に対する特異的免疫療法、すなわち癌ワクチン療法の有用性について、in vitroおよびin vivo実験モデルを用いて検討した。はじめに、BALB/c由来マウスRCC細胞RenCaおよびembryofibroblast細胞BALB3T3にMN/CA9遺伝子導入し、MN抗原を発現したMN-RenCaおよびMN-3T3細胞を確立した。これらの細胞を用いて、CTL precursorの誘導能を検討した。方法は、抗原ペプチド100μg/IFAをBALB/cマウス皮下に4回免疫し、脾細胞を採取培養し、LDH release assayを用いてCTL活性について検討した。次に同様に免疫したマウスおよびコントロールマウスの皮下にMN-RenCaを移植し、経時的に腫瘍サイズを測定し抗原ペプチドによる免疫効果(抗腫瘍効果)について検討した。また、MN-RenCa細胞パルスで得られたCTL(CD8_+)をnaiveマウスに細胞移入し、同様に抗腫瘍効果について検討した。結果はMN抗原ペプチドの免疫によりMN抗原特異的なCTL precursorが誘導された。次に、このCTL細胞10^7個をMN-RenCa皮下注後のヌードマウスに細胞移入したところ腫瘍生着率がコントロールの100%に比較し著明に低値であった。またBALB/cマウスへの抗原ペプチド療法においても、移植4週後の腫瘍重量はコントロールに比較して著明に小さく、腎細胞癌においてMN抗原ペプチドを用いた特異的癌免疫療法の有用性が示唆された。最後に、MN抗原陽性腎細胞癌担癌患者リンパ球のMN抗原に対する反応性についてテトラマーアッセイを用いて行ったところ、非担癌患者に比べて10倍以上の反応性を示し、MN特異的なCTL precursorの存在が示唆された。
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