研究課題/領域番号 |
11671586
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
泌尿器科学
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研究機関 | 日本医科大学 |
研究代表者 |
近藤 幸尋 日本医科大学, 医学部, 助教授 (80215467)
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研究分担者 |
秋元 成太 日本医科大学, 医学部, 教授 (50089752)
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研究期間 (年度) |
1999 – 2000
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研究課題ステータス |
完了 (2000年度)
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配分額 *注記 |
3,600千円 (直接経費: 3,600千円)
2000年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
1999年度: 2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
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キーワード | 膀胱癌 / メタロチオネイン / 発癌 / 癌増殖因子 / 増殖因子 / 亜鉛 / BBN |
研究概要 |
1.メタロチオネイン(MT)枯渇不死化細胞の作製とその特性の検討 MT枯渇化線維芽(MT-/-)細胞にSV40T抗原をトランスフェクションすることにより、不死化細胞を樹立した。同時に対照群(MT+/+)の線維芽細胞も同様に不死化細胞を樹立した。これらの細胞を比較検討した結果、不死化した細胞は細胞周期が若干速くなるがMT-/-細胞は、金属によるMTの誘導合成は認めなかった。加えてMT-/-細胞は、カドミウムに対して高感受性を示したが、亜鉛・銅・水銀・ニッケルについてはMT+/+細胞と有意な差を認めなかった。MT+/+細胞と抗酸化因子の背景に差は認めず今後の酸化とMTの検討に利用できると思われた。以上の結果は、"Simian virus 40-transformed metallothionein null cells showed increased sensitivity cadmium not to zinc,copper,mercury or nickel."Life Science誌に報告した。 2.メタロチオネイン(MT)枯渇化マウスに対するN-butyl-N-(4-hydroxybutyl)nitrosamine(BBN)による膀胱腫瘍発生に関する検討 MT枯渇化マウスおよび対照マウスに対してBBNを経口投与し膀胱腫瘍の発生に関して検討した。同時に亜鉛前投与による腫瘍発生の抑制効果に関しても検討した。MT枯渇化マウスは対照マウスに比して腫瘍の発生頻度は高く、亜鉛の前投与により腫瘍発生の抑制効果は認めなかった。これに対して対照群は、亜鉛前投与による抑制効果を認めた。以上よりMTは腫瘍発生の防御因子として働く可能性が示唆された。以上の内容を"Metallothionein modulates the carcinogenicity of N-butyl-N-(4-hydroxybutyl)nitrosamine in mice."Carcinogenesis誌に報告した。 3.メタロチオネイン枯渇化膀胱腫瘍の病理組織学的検討 その後に、膀胱腫瘍を免疫組織学的に検討するとMTのある腫瘍は、その増殖速度の指標であるKi-67などがMT枯渇化腫瘍に比して高く増殖が盛んであることを明らかにした。つまりMTが腫瘍の浸潤増殖に深く関わっている可能性が示唆された。 4.メタロチオネイン(MT)枯渇膀胱ガン細胞の作製とその特性の検討 MT枯渇化(MT-/-)膀胱腫瘍および対照群の(MT+/+)膀胱腫瘍より培養細胞であるのMT-/-膀胱ガン細胞およびMT+/+膀胱ガン細胞を樹立した。これらの細胞を比較検討した結果、MT-/-膀胱ガン細胞は金属によるMTの誘導合成は認めなかった。加えてMT-/-膀胱ガン細胞は、カドミウムに対して高感受性を示した。またシスプラチンに対する感受性はMT-/-膀胱ガン細胞の方が高かったが、エトポシドに対する感受性は変化を認めなかった。今後は、これらの感受性の機構に関する検討を行う予定である。
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