研究課題/領域番号 |
11671590
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
泌尿器科学
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研究機関 | 兵庫医科大学 |
研究代表者 |
玉置 知子 (橋本 知子) 兵庫医科大学, 医学部, 助教授 (10172868)
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研究分担者 |
島 博基 兵庫医科大学, 医学部, 教授 (90104257)
森 義則 兵庫医科大学, 医学部, 助教授 (80131598)
古山 順一 兵庫医科大学, 医学部, 教授 (30068431)
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研究期間 (年度) |
1999 – 2001
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研究課題ステータス |
完了 (2001年度)
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配分額 *注記 |
3,500千円 (直接経費: 3,500千円)
2001年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
2000年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
1999年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
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キーワード | 前立腺癌 / アンドロゲン非依存性 / 治療抵抗性 / 細胞死(アポトーシス) / 細胞分化 / cdkインヒビター / 遺伝子発現調節 / ヒストンデアセチラーゼ阻害剤 / ヒストンデアセチラーゼ / Sp1 / 分化誘導 / アポトーシス / cdk inhibitor / レチノイン酸 / sodium butyrate |
研究概要 |
前立腺癌培養細胞株に対する分化誘導薬剤の効果を検討し、histone deacetylase(HDAC)阻害剤の細胞障害効果が最も強いことを見出した。HDAC阻害剤としては生体の腸内で産生される酪酸(Sodium butyrate,SB)とFR101228(FR)を用い、いずれも細胞増殖抑制・アポトーシスをおこした。前立腺癌細胞は肝癌・大腸癌細胞より数倍感受性が高かった。またFRの必要濃度はSBの1/10^6以下であり、FRの方が薬剤として投与しやすいと考えられた.前立腺癌細胞の悪性化の指標であるアンドロゲン依存性やRBタンパク発現の有無とHDAC阻害剤の細胞障害効果には差がなかった。ヌードマウス皮下に形成した前立腺癌腫瘍にFRを直接投与しin vivoでの効果を検討した。腫瘍の増殖抑制傾向がみられる一方、超過剰量の腹腔内投与でも死亡はみられなかった。 SBはcdkインヒビターでp21/waf1タンパク発現を著明に誘導するが、FRでもこの効果が認められた。悪性化や治療抵抗性とHDAC阻害剤の効果の関連を知るため、まずp53変異の影響を肝癌細胞で検討すると、p53変異があってもp21発現は著明に誘導された。前立腺癌細胞でも悪性化の指標とp21発現誘導効果には関連がなかった。 つづいて、FRによるp21発現誘導機構を知る目的で、p21の5'-flanking領域約2kbにluciferase遺伝子を連結したベクターを得て、トランスフェクション効率の高い肝癌細胞株を用いてまず検討した.FRがapoptosisを誘導しない濃度でも転写活性の上昇が認められた.転写の活性化に不可欠な部分は140bpの間にあり、この部分を改変することで転写活性が増強した。この部分は、腫瘍内のFR濃度が十分に上がらない条件でも細胞死を誘導する遺伝子治療ベクターの作成に利用できる可能性が示された。
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