研究課題/領域番号 |
11671602
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
産婦人科学
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研究機関 | 金沢大学 |
研究代表者 |
生水 真紀夫 金沢大学, 医学部・附属病院, 助教授 (30226302)
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研究分担者 |
瀬川 智也 金沢大学, 医学部・附属病院, 助手 (40301197)
小池 浩司 金沢大学, 医学系研究科, 助教授 (70225340)
井上 正樹 金沢大学, 医学系研究科, 教授 (10127186)
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研究期間 (年度) |
1999 – 2000
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研究課題ステータス |
完了 (2001年度)
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配分額 *注記 |
3,800千円 (直接経費: 3,800千円)
2000年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
1999年度: 2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
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キーワード | アロマターゼ / 子宮筋腫 / エストロゲン / オートクライン機構 / 分子生物学 / プロモーター / 転写制御 |
研究概要 |
本研究の成果は、以下の4点に集約される。 1.子宮筋腫組織ではエストロゲン合成酵素であるアロマターゼが、正常子宮筋と比較して10-20倍程度高いことを、1)mRNAレベル(合成RNAを内部標準とした定量的RT-PCR法)、2)蛋白レベル(ミクロソーム分画を用いたWestem blottingによる半定量法)、3)酵素活性(トリチウムラベルアンドロステンジオンを基質としてミクロソーム分画のトリチウム水産生速度を測定するいわゆるwater assay法)の3法により証明した。 2.ついで、アロマターゼの発現細胞が子宮筋腫組織中のどの細胞であるかをに確認した。抗アロマターゼ抗体を用いた染色では子宮筋腫に高い免疫原性が証明された。また、子宮筋腫内に存在する動脈壁の線維細胞にも弱い抗原性が認められた。したがって、子宮筋腫細胞アロマターゼを発現していることが明らかとなった。 3.そこで、アロマターゼにより産生されるエストロゲンの意義について検討した。子宮筋腫組織より酵素消化法により分離培養した初代培養細胞を用いて、1)生理的に存在するレベルのアンドロステンジオン(10^8M)から筋腫細胞自身がエストラジオールを産生すること、2)このエストラジオールにより自らの増殖が促進されること、3)このアンドロステンジオンの細胞増殖効果はアロマターゼインヒビターにより特異的に阻止されることが確認された。さらに、この細胞増殖効果はメデイウム中のエストラジオール濃度をほとんど上昇させることなく認められることから、オートクライン・パラクライン・イントラクライン効果によるものと推定された。 4.子宮筋腫組織におけるアロマターゼの発現は、gonadotrophin releasing homone agonist(GnRHa)の術前投与により著明に減少することが明らかになった。GnRHa療法時にみられる子宮筋腫の速やかな退縮効果には、子宮筋腫におけるin situ estrogen合成の抑制効果も関与しているものと推定された。GnRHaのアロマターゼ抑制効果は、in vitroでも一部再現可能であったことから、GnRHaが子宮筋腫細胞に直接作用している可能性が考えられた。
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