研究課題/領域番号 |
11671611
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
産婦人科学
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
伊東 宏晃 京都大学, 医学研究科, 助手 (70263085)
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研究分担者 |
藤井 信吾 京都大学, 医学研究科, 教授 (30135579)
万代 昌紀 京都大学, 医学研究科, 助手 (80283597)
佐川 典正 京都大学, 医学研究科, 助教授 (00162321)
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研究期間 (年度) |
1999 – 2000
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研究課題ステータス |
完了 (2000年度)
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配分額 *注記 |
3,600千円 (直接経費: 3,600千円)
2000年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
1999年度: 2,400千円 (直接経費: 2,400千円)
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キーワード | 妊娠 / 子宮動脈 / nitric oxide / cGMP / CNP / Nitric Oxide / nitric oxide(NO) / prostacyclin / estorgen receptor |
研究概要 |
急速に成長する胎児に酸素や栄養を補給するために、妊娠期間中には子宮動脈の血流が約30倍に増大する。この適応によって、妊娠中期には母体心拍出量の約30%もの血流が子宮に供給される。しかしながら、この妊娠によるダイナミックな生理的血流再配分(適応)の機序は明らかではない。さらに、近年超音波パルスドプラーの所見から、重症妊娠中毒症などにおける子宮内胎児発育遅延症例では、この子宮動脈への生理的な血流増加が障害されている可能性が指摘されている。 今回、我々は、妊娠ヒツジ子宮動脈ではNO/可溶型グアニル酸シクラーゼ(sGC)系とCNP/膜型グアニール酸シクラーゼ-B(GC-B)系の両者が活性化されcGMP産生が増加していることが明らかとし、妊娠子宮動脈での選択的なcGMP産生亢進さらには血流増加機構の一端が解明した。しかも、ヒツジの腎動脈や大網動脈ではこのような変化を認めなかった。このように、妊娠ヒツジモデルの検討から子宮動脈の生理的な血流調節にはグアニール酸シクラーゼ系が重要な役割を果たしている可能性が明らかとなったことから、さらに、ヒトにおける検討として、母体血中のcGMP濃度を検討したところ、軽症妊娠中毒症群ではグアニール酸シクラーゼ系によるなんらかの血管壁の弛緩作用が作動している可能性、さらに重症妊娠中毒症では血管壁トーヌスが増加して血圧が上昇しているにもかかわらず、cGMPによる血管壁の弛緩作用が充分に作動していない可能性が示唆された。言い換えれば、重症妊娠中毒症では、グアニール酸シクラーゼ系が障害あるいは抑制されていて血管壁のトーヌスが上昇している可能性が示唆された。 今後、妊娠による血管壁のグアニール酸シクラーゼ系の生理的調節機序さらには病態生理的変化が明らかにされることが期待される。
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