研究課題/領域番号 |
11671651
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
産婦人科学
|
研究機関 | 慶應義塾大学 |
研究代表者 |
塚崎 克己 慶應義塾大学, 医学部, 助教授 (40118972)
|
研究分担者 |
竹原 京子 慶應義塾大学, 医学部, 助手 (10286536)
久布白 兼行 慶應義塾大学, 医学部, 講師 (50170022)
山下 博 慶應義塾大学, 医学部, 助手 (40276332)
岩田 卓 慶應義塾大学, 医学部, 助手 (30296652)
|
研究期間 (年度) |
1999 – 2000
|
研究課題ステータス |
完了 (2000年度)
|
配分額 *注記 |
3,800千円 (直接経費: 3,800千円)
2000年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
1999年度: 3,300千円 (直接経費: 3,300千円)
|
キーワード | 婦人科癌 / 糖転移酵素 / 糖鎖遺伝子 / 浸潤能・転移能 / 遺伝子導入 / 糖鎖発現異常 / 子宮体癌 / β1,4ガラクトース転移酵素 / 転移 |
研究概要 |
近年、癌細胞膜に存在する糖鎖は腫瘍マーカーとして臨床実用化されているが、細胞膜上の糖鎖が癌の臨床的悪性度と相関を有することが明らかになるにつれ、糖鎖の生物機能の解明が求められている。我々はすでに、子宮体癌に発現される異常糖鎖やその合成に関与する糖転移酵素の解析を行い、子宮体癌ではI型糖鎖、中でもLewis^b型糖鎖の発現が特異的であり、I型糖鎖を発現する子宮体癌は発現しない体癌に比べ予後が良好であることを明らかにした。そこで今回の研究では、I型糖鎖やII型糖鎖の発現に関与する糖転移酵素であるβ1-4ガラクトース転移酵素(β1-4GT)に注目し、その糖鎖遺伝子の発現を調節することにより、子宮体癌細胞の生物学的特性がどのように変化するかを検討した。すなわち、ヒト子宮体癌由来培養株細胞であるSNG-M細胞(β1-4GTの活性が低い)やヒト卵巣明細胞腺癌由来培養株細胞であるRMG-II細胞(β1-4GTの活性が高い)にβ1-4GTのsenseおよびantisense cDNAを導入し、β1-4GTの発現レベルの多寡による細胞特性の変化をin vitroならびにin vivoで解析した。その結果SNG-Mにβ1-4GTのsense cDNAを導入した高発現株では、細胞倍加時間は短縮し、ラミニンやコラーゲンIVへの接着能が亢進した。またマトリゲルへの浸潤能が増加した。糖鎖の発現に関してはII型糖鎖の1つであるLewis^xの発現が増加した。antisenseを導入した低発現株では、細胞増殖はmockに比べ抑制され、またヌードマウスにおける皮下腫瘤の形成能は低下した。一方、RMG-IIにantisenseを導入したβ1-4GT低発現株ではmockに比べ細胞増殖は抑制された。また、in vitroにて固相化したコラーゲンIVへの接着細胞数は減少した。以上より、β1-4GTの発現が減少することにより婦人科癌の細胞増殖能や接着能が抑制され、逆にβ1-4GTの発現が増加すると、亢進することが判明し、β1-4GTの発現量が細胞の増殖能や接着能に関与することが明らかになった。
|