研究課題/領域番号 |
11671663
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
産婦人科学
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研究機関 | 福岡大学 |
研究代表者 |
蜂須賀 徹 福岡大学, 医学部, 助教授 (70180891)
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研究分担者 |
中別府 雄作 九州大学, 生体防御医学研究所, 教授 (30180350)
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研究期間 (年度) |
1999 – 2000
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研究課題ステータス |
完了 (2000年度)
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配分額 *注記 |
3,600千円 (直接経費: 3,600千円)
2000年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
1999年度: 2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
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キーワード | 子宮内膜 / 子宮内膜癌 / タモキシフェン / AP-1 / Jun / Fos / FGFR / Ki-67 / AP-I / EGFR / Ki-17 |
研究概要 |
エストロゲンリセプターの解析から、AP-1結合領域を介したエストロゲン応答性遺伝子活性化メカニズムが明らかとなった。その中でタモキシフェンはエストロゲンレセプターがそのDNA結合部位を介してAP-1結合領域に結合したJunとFos蛋白質と相互作用することで、その後の転写活性を高める事が推測されている。そこで我々は、月経周期子宮内膜における細胞増殖と細胞死に果たすc-jun、c-fos蛋白の役割を検討する目的で、正常月経周期内膜のパラフィン切片より、免疫組織学的にαエストロゲンリセプター(ER)、プロゲステロンリセプター(PR)、Ki-67、c-jun蛋白、c-fos蛋白、Baxの発現を検討した。その結果、ER、PRは増殖期の腺上皮と間質細胞共に強く発現していた。分泌期後期は腺上皮のER、PRの発現は減弱していたが。偽脱落膜反応をしている間質細胞にはPRの発現を強く認めた。Ki-67は増殖期で腺上皮、間質細胞共にその発現は高く、分泌後期では認めなかった。c-jun蛋白は増殖期では腺上皮、間質細胞共にその発現は高かった。分泌後期において、腺上皮はその発現を著しく減少していたが、偽脱落膜反応をしている間質細胞は高発現を認めた。c-fos蛋白は腺上皮と間質細胞共に月経周期に関係なく発現していた。Baxは腺上皮では分泌後期にその発現が上昇していたが、間質細胞では月経周期による発現の変化は認めなかった。以上より、分泌後期において腺上皮はApoptosisへ誘導され、間質細胞はapoptosisを回避して偽脱落膜反応へと分化を示し、これらの調節にc-jun蛋白とPRが関与していることが推測された。さらに、タモキシフェン投与を受けている婦人の子宮内膜を免疫組織学的に解析した。タモキシフェン内服閉経前婦人では、非内服閉経前婦人との比較においてER、PR、epidermal growth factor receptor(EGFR)、Ki-67の発現に有意差はなかった。これに対して、閉経後においては、タモキシフェン内服婦人子宮内膜はEGFRとKi-67の発現が非内服婦人より有意に上昇していた(Table1)。c-jun蛋白、c-fos蛋白はタモキシフェン内服閉経後婦人で腺上皮、間質細胞共に発現を認めた。以上の研究から、Jun蛋白とFos蛋白が、増殖因子やリセプターと相互に関係しながら単に細胞増殖に関与しているだけでなく細胞の分化やアポトーシスにも関与していることが推測された。
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