研究課題/領域番号 |
11671673
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
耳鼻咽喉科学
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研究機関 | 東京医科歯科大学 |
研究代表者 |
佐藤 達夫 東京医科歯科大学, 大学院・医歯学総合研究科, 教授 (10004657)
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研究分担者 |
下川 隆 東京医科歯科大学, 大学院・医歯学総合研究科, 助手 (70302841)
坂本 裕和 東京医科歯科大学, 大学院・医歯学総合研究科, 助手 (40225818)
秋田 恵一 東京医科歯科大学, 大学院・医歯学総合研究科, 助教授 (80231819)
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研究期間 (年度) |
1999 – 2000
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研究課題ステータス |
完了 (2000年度)
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配分額 *注記 |
2,400千円 (直接経費: 2,400千円)
2000年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
1999年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
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キーワード | 臨床解剖学 / 迷走神経 / 反回神経 / リンパ管 / 肉眼解剖学 / 自律神経系 / 内眼解剖学 |
研究概要 |
気管・咽頭・食道領域に分布する迷走神経および交感神経の分布状態を精査し、これらの領域における新たな機能温存術式の開発のための解剖学的基盤を築くことを本研究において試みた。今回は特に、背側から骨要素を除去しながら解剖を進め、食道・気管における迷走神経の枝ならびに、リンパ管・リンパ節の分布様式について詳細に調査・検討した。 気管・食道に分布する迷走神経の枝(気管枝・食道枝)は、気管分岐部より上方、気管分岐部付近、および気管分岐部より下方で、それぞれ分布様式が異なっていた。気管分岐部より上方では、気管枝・食道枝は共通幹をなして起始していた。この共通幹は食道と気管との間を走り、それぞれの分布域の直前で分かれ、食道枝は食道前面に、気管枝は気管後面の膜性壁に進入していた。気管膜性壁内では同側の気管枝間で交通が頻繁に認められたものの、左右の食道枝・気管枝間の交通は認められなかった。気管分岐部付近では、左右の気管枝・食道枝の共通幹のあいだに多くの交通が認められた。左右気管支には、ぞれぞれ同側の迷走神経本幹から起始した枝が分布しており、対側の枝が入り込んでいる例は認められなかった。気管分岐部より下方では、左右迷走神経の本幹はいくつかの枝幹に分かれ、左右の枝群は交通して食道を取り囲むように食道神経叢を構成していた。食道枝は神経叢から起始して、食道壁の全周から進入していた。食道壁内においては、食道枝どうしのあいだで吻合が認められた。リンパ系に関する新知見として、食道の後面に密着して走る左右の交通リンパ管の存在が確認された。これらのリンパ管は、1)食道後面を単独で通る場合、2)気管枝動脈と伴行する場合、3)半奇静脈と伴行する場合、4)肋間動脈と伴行する場合、がみとめられた。また、気管分岐部リンパ節からでるリンパ管のルートとして、左右迷走神経間の交通枝が利用されているのが認められた。
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