研究課題/領域番号 |
11671690
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
耳鼻咽喉科学
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研究機関 | 宮崎医科大学 |
研究代表者 |
河野 浩万 宮崎医科大学, 医学部, 助手 (20204745)
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研究分担者 |
春田 厚 宮崎医科大学, 医学部, 講師 (90201722)
松田 圭二 宮崎医科大学, 医学部, 助手 (40253835)
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研究期間 (年度) |
1999 – 2001
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研究課題ステータス |
完了 (2001年度)
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配分額 *注記 |
2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
2001年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
2000年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
1999年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
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キーワード | Endocochlear potential / Endolymph / Cochlea / Basigin / Imunohistochemistry / RT-PCR / In situ hybridization / pituitary adenylate cyclase-activating polypeptide / 神経栄養因子 / 血管条 / 神経調節因子 / 蝸牛 / 分子生物学 / ラセン神経節 / Pituitary adenylate cyclase-activating polypeptide / Development / EP |
研究概要 |
内リンパイオン組成とEPの発達との関連性を明らかにするため、生後1日目〜14日目のマウス蝸牛での内リンパイオン濃度とEPの変化をdouble-barreled微小電極を用いて測定した。EPは、生後7日前後で急上昇し生後14日目にはほぼ成熟電位に達したのに対し、内リンパイオン濃度変化は、生後1日目よりK^+は次第に増加、Na^+は減少、Cl^-は増加して、生後7日目にはNa^+、K^+、Cl^-濃度はほぼadultの濃度となった。このことから発育過程においてEPとK^+の発生維持機構が明らかに異なることが判明した。 内耳の特殊環境調節には、血液内耳関門の存在が重要な役割を担っていることが示唆されており、血液脳関門との形態学的な類似性が報告されている。Basiginは血液脳関門機能との関連性が注目されている免疫グロブリンスーパーファミリーに属する糖蛋白である。蝸牛でのBasiginの発現について免疫組織学的に研究したところ、内耳道内蝸牛神経の毛細血管と血管条基底細胞層に発現を認めた。このことからBasiginが内耳環境の恒常性に関与していることが示唆された。 近年、蝸牛の調節因子としてNeuropeptideの重要性が示唆されてきているが、我々はPituitary adenylate cyclase-activating polypeptide(PACAP)に注目した。その蝸牛での発現を明らかにするためにin situ hybridization法を行ったところ、ラセン神経節細胞と血管条辺縁細胞に陽性反応を認めた。また、RT-PCR法にてPACAPレセプターのmRNAの発現を確認した。以上のことからPACAPが蝸牛内でオートクリーン、パラクリーンに作用していることが推察された。 PACAPは、グルタミン酸の介した神経伝達を増強させる作用を有する一方で、グルタミン酸の興奮毒性による神経障害を抑制する作用を有していることから、PACAPが蝸牛においてもグルタミン酸による神経細胞への作用の調節に関与している可能性があることが示唆された。
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