研究課題/領域番号 |
11671694
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
耳鼻咽喉科学
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研究機関 | 鹿児島大学 |
研究代表者 |
松根 彰志 鹿児島大学, 医学部, 助教授 (00253899)
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研究分担者 |
宮之原 郁代 鹿児島大学, 医学部・附属病院, 講師 (40305131)
牛飼 雅人 鹿児島大学, 医学部・附属病院, 講師 (00284886)
黒野 祐一 鹿児島大学, 医学部, 教授 (80153427)
出口 浩二 鹿児島大学, 医学部・附属病院, 助手 (50315438)
河野 もと子 鹿児島大学, 医学部, 助手 (70295252)
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研究期間 (年度) |
1999 – 2001
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研究課題ステータス |
完了 (2001年度)
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配分額 *注記 |
3,400千円 (直接経費: 3,400千円)
2001年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
2000年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
1999年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
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キーワード | 血管内皮細胞増殖因子(VEGF) / 鼻汁中VEGF / アレルギー / 低酸素 / インフルエンザ菌エンドトキシン / 14員環系マクロライド / 細胞内シグナル伝達 / NFκB / 血管内皮細胞増殖因子 / 線維芽細胞 / ケモカイン / マクロライド / MAPK / 培養細胞 / 鼻茸線維芽細胞 / VEGF / エンドトキシン / 血管内皮増殖因子 / アレルギー性鼻炎 / 副鼻腔炎 / 鼻汁 / 腺組織 / リンパ球 / マクロファージ / 好酸球 |
研究概要 |
鼻汁中の血管内皮細胞増殖因子(VEGF)は、対アルブミン比でアレルギー性鼻炎群(AR)、ARを合併した慢性副鼻腔炎群(AS),ARを合併しない慢性副鼻腔炎群(NAS)の3群間で比較したところ、NAS群で他の2群と比べて有為に少なかった。アレルギー性鼻副鼻腔疾患(AR & AS)の鼻副鼻腔粘膜を用いた免疫組織化学的検討では、浸潤好酸球等以外にも漿液腺細胞に抗VEGF抗体陽性の所見が認められた。AR群およびAS群では、固有粘膜の腺組織の漿液腺、粘液腺への明らかな分化に基づく腺組織の増殖が認められる一方で、NAS群では漿液腺、粘液腺への分化が不明確な腺組織の増殖を認め、この腺組織の増殖様式の違いが、鼻汁中VEGFに影響を与えていると思われた。末梢血中のVEGFは、鼻汁中に比べて極めて微量であり、VEGF産生が炎症局所の粘膜由来であることをうかがわせる。また、鼻副鼻腔炎疾患のある例では、それらの疾患を認めないコントロール群と比較検討して血中VEGFが有為に多かったが、AR、AS、NASの3群間で有為な差は認められなかった。手術で摘出した鼻茸由来の線維芽細胞の培養細胞を用いた検討で、VEGFは、腫瘍細胞でのこれまでの検討報告と同様に、低酸素刺激に対して産生増加を認めた。しかし、インフルエンザ桿菌エンドトキシン単独刺激では、産生増加は認められなかった。低酸素下でのエンドトキシン刺激では、低酸素単独刺激時と同様に有為なVEGF産生増加を認めた。低酸素刺激に対するVEGFの産生増加は、DMSOやアンピシリンにて抑制されなかったが、ロキシスロマイシンやクラリスロマイシン等の14員環系マクロライドやデキサメサゾン(ステロイド)は抑制的に作用した。低酸素刺激による線維芽細胞からのVEGF産生亢進の細胞内シグナル伝達系に検討で、PD098059の投与で、Gliotoxinの投与よりも著明に産生が抑制された。これは、VEGF産生の際の細胞内シグナル伝達系が、主にNFκBの核内転移の系よりも、MAPキナーゼのリン酸化経路に依存していることが示唆された。
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