研究課題/領域番号 |
11671723
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
眼科学
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
加藤 聡 (2000) 東京大学, 医学部・附属病院・分院, 講師 (20214372)
加藤 聡 (1999) 東京大学, 医学部・附属病院・分院, 講師 (20277114)
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研究分担者 |
沼賀 二郎 東京都老人医療センター, 眼科, 部長 (30189352)
藤野 雄次郎 東京厚生年金病院, 眼科, 部長 (30143465)
川島 秀俊 東京大学, 医学部・附属病院・分院, 助教授 (30169718)
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研究期間 (年度) |
1999 – 2000
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研究課題ステータス |
完了 (2000年度)
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配分額 *注記 |
3,600千円 (直接経費: 3,600千円)
2000年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
1999年度: 2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
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キーワード | 網膜炎 / 単純ヘルペスウイルス / ヘルペス網膜炎 / ケモカイン / MIP-2 / IP-10 / 好中球 / Th1細胞 / Th1サイトカイン |
研究概要 |
昨年度の研究から、マウスヘルペス網膜炎の眼内においてIFN-γ,TNF-αなどのサイトカインの他にMIP-2,MCP-1,MIP-1α,RANTES,MIG,IP-10等のケモカインが発現している事が明らかになった。ケモカインは、炎症局所への白血球の遊走に重要なサイトカインである事から、これらのケモカインがマウスヘルペス網膜炎の発症にどの様な働きをしているかについて検討した。検討は、上記のケモカインのうち早期の好中球浸潤に関与すると予想されるMIP-2,Th1細胞の遊走に関与するとされているIP-10について中和抗体を作成し、ヘルペス網膜炎マウスに静脈投与する事で行った。 まず、MIP-2に対する抗体をヘルペス網膜炎マウスに静脈投与し、治療効果を検討した。その結果、抗MIP-2抗体投与はヘルペス網膜炎モデルにおける左眼への好中球浸潤を抑制し、網膜炎の発症を遅延、抑制したが、眼内のウイルス量には有意な影響を与えなかった。抗MIP-2抗体投与によってヘルペス網膜炎で早期に浸潤する主な白血球である好中球の浸潤が抑制された事で、左眼での網膜炎の進展が遅延され、結果的に網膜炎の発症率が抑制された可能性が考えられた。 次に抗IP-10抗体の静脈投与を行った。その結果、抗IP-10抗体投与は、ヘルペス網膜炎モデルにおける両眼へのT細胞浸潤を抑制し、両眼の眼内ウイルス量を増加させた。さらに、左眼の網膜炎の発症は抗IP-10抗体投与により早まり、累積発症率は有意に増加した。 これらの結果から、MIP-2は炎症早期の好中球浸潤を促す事でヘルペス網膜炎の炎症の増悪に関与し、IP-10は活性化T細胞の眼内浸潤を促してウイルス除去に重要な役割を担っていると考えられた。
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