研究課題/領域番号 |
11671732
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
眼科学
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
平野 耕治 名古屋大学, 医学部, 助教授 (50228798)
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研究期間 (年度) |
1999 – 2000
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研究課題ステータス |
完了 (2000年度)
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配分額 *注記 |
3,300千円 (直接経費: 3,300千円)
2000年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
1999年度: 2,700千円 (直接経費: 2,700千円)
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キーワード | プロテオグリカン / グリコサミノグリカン / コラーゲン線維 / 原子間力顕微鏡 / βig-h3遺伝子 / 角膜変性症 / グリコサミノブリカン / ケラタン硫酸 / コンドロイチシ硫酸 / コラーゲン細線維 / 角膜の透明性 |
研究概要 |
マウス角膜および強膜のD-周期コラーゲン線維の表面トポグラフィーを原子間力顕微鏡を用いて観察し比較したところ、強膜に比べて角膜のコラーゲン線維では表面の凹凸が小さいことがわかった。ルテニウム・レッド染色によりプロテオグリカン(PG)ないしグリコサミノグリカン(GAG)の分布を調べたところ、マウスでは強膜に比べて角膜のコラーゲン表面に多く分布していることがわかり、このPGs/GAGsによって角膜のコラーゲン線維の表面の溝は埋められていることがわかった。また、ヒト角膜において、これらGAGと関わるPGとコラーゲン細線維の相互関係を調べる目的で、病理解剖でえられたヒト角膜をコンドロイチナーゼABCまたはケラタナーゼで消化処理し、その前後でのコラーゲン細線維の表面構造の比較を三次元的解析により行なった。コンドロイチナーゼABC処理では角膜のコラーゲンの表面構造に変化はなかったが、ケラタナーゼ処理ではコラーゲンの周期構造の溝が深くなり、角膜においてケラタン硫酸がコラーゲンの周期の溝を埋める形で存在し、これにより線維の等間隔性が保たれ、角膜の透明性に寄与していることがわかった。さらにヒト角膜実質の創傷治癒過程におけるケラタン硫酸、コンドロイチン硫酸の動態を調べる目的で、全層角膜移植術後、移植片の内皮障害などにより再移植を行なった4例4眼よりえられた角膜組織を用い免疫組織化学的検討を行なったところ、ケラタン硫酸は全例において角膜組織全体、ことに上皮下に局在していた。コンドロイチン硫酸Cは全例において検出されず、コンドロイチン硫酸A構造は角膜の創傷治癒の早期の段階で発現がみられ、2年以上経過すると観察されなくなる。即ち、コンドロイチン硫酸A構造が角膜実質の創傷後の再構築に深く関わっていることが示唆された。
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