研究課題/領域番号 |
11671745
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
眼科学
|
研究機関 | 長崎大学 |
研究代表者 |
北岡 隆 長崎大学, 医学部, 助教授 (80234235)
|
研究分担者 |
雨宮 次生 長崎大学, 医学部, 教授 (60026862)
津田 恭央 長崎大学, 医学部・附属病院, 助手 (30253660)
|
研究期間 (年度) |
1999 – 2000
|
研究課題ステータス |
完了 (2000年度)
|
配分額 *注記 |
3,400千円 (直接経費: 3,400千円)
2000年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
1999年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
|
キーワード | アクアポリン / ミュラー細胞 / 黄斑浮腫 / 網膜剥離 / 網膜浮腫 / 免疫組織化学 / 黄斑円孔 / 網膜内境界膜 / 網膜ミュラー細胞 / レーザー光凝固 / 糖尿病網膜症 |
研究概要 |
アクアポリン(AQP)は細胞膜に存在する水のチャンネル蛋白で、眼組織に広く分布している。網膜においてはミュラー細胞に存在が確認されており、網膜剥離や網膜浮腫などの疾患においては、網膜下液の移動、網膜浮腫の吸収などに、なんらかの働きをしていることは想像に難くない。 我々は、まず、AQP1〜4のうちでもAQP4が、ミュラー細胞に存在することを、AQP4にたいする抗体を用いて、光学顕微鏡で確認した。また、電子顕微鏡レベルでも、免疫組織化学的にミュラー細胞のAQP4の存在を、細胞膜に確認した。 次に、ラット網膜にレーザー光凝固を行い、人工的に網膜浮腫の状態をつくり、免疫組織化学的に、網膜浮腫の周囲では、AQP4の発現が亢進していることを証明し、網膜浮腫の吸収にはAQPが関与する可能性を示した。 視力障害の大きな原因の一つである、網膜の特発黄斑円孔や黄斑浮腫の治療では、外科手術の際に、意図的に網膜内境界膜を剥離することがある。これを行うと、手術成績が向上し、黄斑円孔は高率に閉鎖し、黄斑浮腫は速やかに吸収することが多い。しかし、ときに遷延する黄斑浮腫を経験する。我々は術中に摘出した内境界膜を材料として電子顕微鏡を用いた免疫組織化学を行い、内境界膜の網膜側の所々の電子密度の高い部分に、抗AQP4抗体の局在を認めた。このことは、内境界膜を摘出した際にミュラー細胞のAQPを傷つけ、遷延する黄斑浮腫をきたしたと考えられた。 以上から、ミュラー細胞に存在するAQPは黄斑浮腫の吸収に働き、またこのAQPが、傷害されることで、遷延する黄斑浮腫をきたす可能性があることが示された。
|