研究課題/領域番号 |
11671746
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
眼科学
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研究機関 | 神戸大学 (2000-2001) 熊本大学 (1999) |
研究代表者 |
根木 昭 神戸大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (00189359)
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研究分担者 |
前田 秀高 神戸大学, 医学部・附属病院, 助手 (20324931)
石橋 一樹 神戸大学, 医学部・附属病院, 助手 (20324923)
塚原 康友 神戸大学, 大学院・医学系研究科, 助手 (20236855)
平田 憲 熊本大学, 医学部・附属病院・眼科, 助手 (60295144)
村田 恭啓 熊本大学, 医学部・眼科, 助手 (80229997)
松本 光希 熊本大学, 医学部・眼科, 助教授 (70173896)
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研究期間 (年度) |
1999 – 2001
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研究課題ステータス |
完了 (2001年度)
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配分額 *注記 |
1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
2001年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
2000年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
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キーワード | 網膜 / 硝子体 / 黄斑 / 黄斑円孔 / 内境界膜 / 網膜剥離 / 後部硝子体剥離 / 視野狭窄 / 人工的後部硝子体剥離 / 硝子体手術 / 液空気置換 / 実験的網膜剥離 |
研究概要 |
感覚網膜の接着機構の中で特に黄斑部の接着は視機能に直接的な影響を及ぼす。黄斑部の接着は臨床的には網膜剥離の他、網膜上膜、浮腫や円孔の形成で障害される。黄斑円孔については人工的後部硝子体剥離の技術が導入され成果を上げている。我々が黄斑円孔について連続110例で硝子体手術の有効性をみると90%で円孔の閉鎖、再接着が達成できた。家兎で実験的網膜円孔を作成しその閉鎖過程を検討すると閉鎖には気体タンポナーデによる網膜円孔端とRPEの接着が必要で円孔の閉塞にはRPEとグリア細胞が関与していることが解明された。さて臨床的には90%の円孔閉鎖を得られたものの、28%でかつて経験したことのない周辺視野狭窄が出現した。この視野障害は手術時の潅流ポートの位置に左右され、また空気潅流圧を50mmHgから30mmHgへ下げることにより出現頻度は4%に低下したことから空気圧による機械的傷害が原因と推測された。家兎眼に於いて硝子体手術を施行し人工的後部硝子体剥離を作成後50mmHgで空気潅流しその対側における網膜変化を観察したところ全例に置いて対側網膜に境界鮮明な類円形の陥凹病巣が走査電顕で確認された。病巣の辺縁では軽度に内境界膜が剥離し中心部に至るほど障害は深層に及び神経線維層が露出している病巣もあり臨床的に見られた視野障害は液空気置換時の空気圧による事が初めて証明された。この障害は検眼鏡的には術早期には視野障害に相当する網膜病巣は発見されなかった。しかし長期的に観察するとRPEの色素異常や脈絡膜循環の遅延、網膜下線維性組織の形成、網膜上膜の形成などが見られるようになり、その出現は平均術後8ヶ月であった。このように臨床的に見られた視野障害は液空気置換時の空気圧による事が証明されまたその障害は程度により網膜深層にも及び、進行性であることが確認術中潅流圧に留意するとともに術後長期にわたる精細な検眼鏡的、機能的評価の重要性が確認された。
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