研究課題/領域番号 |
11671810
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
形態系基礎歯科学
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研究機関 | 明海大学 |
研究代表者 |
天野 滋 明海大学, 歯学部, 助教授 (90167958)
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研究分担者 |
渡辺 和志 明海大学, 歯学部, 助手 (20271231)
宮田 隆 明海大学, 歯学部, 教授 (10146251)
菊地 寛高 明海大学, 歯学部, 助手 (70234193)
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研究期間 (年度) |
1999 – 2000
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研究課題ステータス |
完了 (2000年度)
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配分額 *注記 |
3,900千円 (直接経費: 3,900千円)
2000年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
1999年度: 2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
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キーワード | LPS / IL-6 / ODF / OCIF / CD14 / TLR4 / 骨吸収 / IL-1β / TNFα / ST-2 / 破骨細胞形成 |
研究概要 |
破骨細胞形成支持能を有するST-2細胞のLPS刺激性ODF遺伝子発現誘導機構を理解し、歯周疾患における骨吸収抑制のための基礎的な知見を得る試みである。 1、LPS刺激性ODF遺伝子発現能を、Northern blot法で調べた。ST-2細胞にLPS10μg/ml添加後、24時間目からODF遺伝子発現が認められ、72時間目をピークとした。その遺伝子発現は、10ng/mlから10μg/mlまで濃度依存的に上昇した。 2、LPS誘導性ODF遺伝子発現は抗IL-6抗体添加によって中和された。また、IL-6の遺伝子と蛋白質発現が確認された。IL-6100ng/ml添加により、24時間目にODFの遺伝子発現が認められた。 3、ST-2細胞は、LPSからのシグナルに関与しているCD14とTLR4の恒常的な遺伝子発現が認められた。PI-PLC前処理によってCD14のGPI anchor部分を切断するとLPS誘導性IL-6遺伝子発現は明らかに抑制された。さらに、TLR4を強制発現させたST-2細胞ではIL-6とODFの遺伝子発現の上昇が認められ、LPSに対する応答性が高まった。 4、ODFのdecoy receptorであるOCIFは、LPS、mIL-6、hIL-1βまたはhTNFα誘導性吸収を、100ng/ml同時添加で完全に抑制した。 以上の結果から、LPS誘導性ODF遺伝子発現には、CD14-TLR4を介して誘導される内因性のIL-6が関与していることが明らかとなった。また、LPSまたは炎症性サイトカインによって誘導される破骨細胞形成は、OCIFで抑制されたことから、歯周疾患局所での骨吸収を抑制できる可能性がある。 明海大学付属病院歯周病科に来院した成人性歯周炎患者で、インフォームドコンセントを得た後、歯肉切除で得られた歯肉片を用い、ODFとOCIFの遺伝子発現をリアルタイムPCRで定量測定を試みた。しかし、primerの設計上の問題、発現量の問題、試料の採取時期などの問題からODFの遺伝子発現が検出できなかった。今後、測定条件の改善の後、病態の進行度とODFとOCIFの発現度合いの関係を検討する予定である。
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