研究概要 |
Tuft cellの機能を解明する目的で研究期間に次の事を明らかにした。 1.Tuft cellの形質膜の糖鎖を検索するためにConA, SBA, WGA, DAB, UEA-1, RCA-1, PNAの7種類のレクチンで染色した結果SBAに最も強く反応した。また核上部に存在するtubulovesicular systemもSBAで染色され微絨毛の形質膜とtubulovesicular systemの関連性が示唆された。 2.Tubulovesicular systemは小胞や小管から構成されているが、非常に変異が多く、各試料毎形態が異なっている。Tubulovesicular systemの形態を明らかにする目的で電顕超薄切片の三次元再構築法を用い検討し、小胞が一部連続し超薄切片を切る角度により形態に変異が生じていることが明らかになったTubulovesicular systemは微絨毛が伸びる時、膜の供給をしている可能性が示唆された。 3.Tuft cellの分泌能を検討するため多糖類の素材であるガラクトースを^3Hでラベルし腹腔に投与し、経時的(5分、20分、2時間、6時間、24時間)に試料を取り出し、光顕および電顕によるオートラジオグラフィー法にて検討した。Tuft cellはすべての時間を通してtuft cell全体で2から3個の現像銀がゴルジ装置、グリコーゲン領域、微絨毛に観察されるのみで、主導管の主細胞である明調細胞のように数多くの現像銀は観察されなかった。Tuft cellに於いてはガラクトースは一部はグリコーゲンの素材として、又糖鎖の素材として使用され、多糖類の分泌能はないものと推測された。
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