研究課題/領域番号 |
11671853
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
機能系基礎歯科学
|
研究機関 | 明海大学 |
研究代表者 |
坂上 宏 明海大学, 歯学部, 教授 (50138484)
|
研究分担者 |
柏俣 正典 朝日大学, 歯学部, 教授 (30152630)
|
研究期間 (年度) |
1999 – 2001
|
研究課題ステータス |
完了 (2001年度)
|
配分額 *注記 |
3,600千円 (直接経費: 3,600千円)
2001年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
2000年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
1999年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
|
キーワード | 抗酸化剤 / ヒト口腔扁平上皮癌 / 細胞死 / アポトーシス / HIF-1α / MnSOD / bax / NO / HIF-1 / ビタミンC / ボリフュノール / 口腔癌細胞 / VEGF / M30モノクローナル抗体 / DNA断片化 / ポリフェノール |
研究概要 |
先ず、天然界に存在するポリフェノール類、抗酸化剤の中から腫瘍選択性のあるものを探索をすることから開始した。リグニンはアスコルビン酸やビタミンKのアポトーシス誘導活性を相乗的に促進した。大環状加水分解性タンニンやイソフラボンに腫瘍選択毒性が見られた。ステロイダルサポニンは、低濃度で酸化作用を介さず強い細胞障害活性を示した。各種植物抽出液は腫瘍選択性と、MDR克服活性を示した。CoCl_2の添加により、抗酸化剤のジオール部分が酸化を受け、アポトーシス誘導活性が抑制された。ヒトロ腔扁平上皮癌HSC_2細胞は、低酸素状態では、HIF-1αのHREへの結合が増加する。この時、抗酸化剤のNACや細胞内移行型のGSH ethylesterは、この反応を抑制するが、アスコルビン酸の抑制効果は、極僅かなものであった。一方、プロモーター領域にヒトVEGFのHREをtandemにrepeatしたlucifarase遺伝子を安定に発現する変異株を作成して、レポーターアッセイで、HIF-1の活性化を検討したが、通常酸素状態で高濃度のアスコルビン酸を添加6時間後で、全く誘導が認められなかった。これに対して、高濃度(5mM)アスコルビン酸添加によるHL-60細胞アポトーシス誘導時においては、HIF-1αmRNA発現の急激な増加と、MnSODmRNA発現低下が観察された。これは、アスコルビン酸による酸素消費の結果(MnSODも消費し尽くされ)、酸素供給に必要なタンパク質等を発現するように細胞側が応答したことを示している。これらのタンパク質の同定と、HIF-1αのmRNAの誘導にもかかわらず細胞死に至る機構の解明は、今後の研究テーマである。ECCGやイソフラボンは、マウスマクロファージRaw264.7細胞にもアポトーシスを誘導するが、baxの発現を2相性に変化させた(低濃度では低下、高濃度では増加)。抗酸化作用と酸化作用の切り替えの機構も今後の検討課題である。
|