研究課題/領域番号 |
11671859
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
機能系基礎歯科学
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研究機関 | 鶴見大学 |
研究代表者 |
深江 允 (深江 充) 鶴見大学, 歯学部, 教授 (40064373)
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研究分担者 |
田辺 孝子 鶴見大学, 歯学部, 講師 (00089393)
山田 まりえ 東京歯科大学, 歯学部, 助教授 (70115088)
大井田 新一郎 鶴見大学, 歯学部, 助教授 (10114745)
山越 康雄 鶴見大学, 歯学部, 助手 (20182470)
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研究期間 (年度) |
1999 – 2000
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研究課題ステータス |
完了 (2000年度)
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配分額 *注記 |
3,100千円 (直接経費: 3,100千円)
2000年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
1999年度: 2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
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キーワード | 歯根形成 / セメント質形成 / アメロゲニン / エナメリン / シースリン / EMSP1 / エナメリシン / RT-PCR / ブタ永久歯歯胚 / 非コラーゲン性タンパク質 / ウェスタンブロット |
研究概要 |
ブタの歯根形成部位におけるエナメルタンパクの検出と発現について調べるため、切歯永久歯歯胚の歯根形成端のみを調整した。組織学的観察によって、この試料には象牙前質が形成し始めている部分から象牙質が石灰化している部分を含み、また、象牙質の表面には薄いセメント質の層と多数の細胞が存在し、歯随側には主に象牙芽細胞が含まれているのがわかった。この試料の4Mグアニジン可溶性画分中に、3種類のアメロゲニンの抗体に反応する低分子量で塩基性のタンパク質が存在したので、これらを精製し、アミノ酸配列を調べたところ、これらがすべてヒストンであることが確認され、調整した試料から多量の細胞成分が溶出していることがわかった。そこで抽出方法を変えて酢酸可溶性画分を調整し、エナメルタンパクの存在をイッムノブロットで確認したところ、量的には少ないが、明らかに存在することがわかった。この試料から総RNAを調整し、RT-PCR法でエナメルタンパクの発現を調べると、アメロゲニン、エナメリン、シースリンのすべてが発現していたが、アメロゲニンの発現量はエナメリン、シースリンに比較して多くなく、基質形成期のエナメル芽細胞におけるエナメルタンパクの発現の割合いとは異なっていた。これらのことから、歯根形成部位ではアメロゲニンは幼若エナメル質の基質のような構造を構築しえないと考えられた。また、免疫反応物の分布からエナメルタンパクの分解が起きていることがわかったので、ザイモグラムでプロテアーゼを調べると、エナメルタンパクの分解に関与するEMSP1やエナメリシンの活性は検出されなかった。これから歯根の形成端におけるエナメルタンパクの分解の機構は不明であるが、分泌されたエナメルタンパクは分解されながら、将来セメント質が形成される部位に拡散し、セメント芽細胞が誘導されてくると考えられた。
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