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急性GVHD口腔粘膜病変でのサイトカイン産生細胞の動態

研究課題

研究課題/領域番号 11671876
研究種目

基盤研究(C)

配分区分補助金
応募区分一般
研究分野 病態科学系歯学(含放射線系歯学)
研究機関明海大学

研究代表者

大野 純  明海大学, 歯学部, 助手 (10152208)

研究期間 (年度) 1999 – 2000
研究課題ステータス 完了 (2000年度)
配分額 *注記
2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
2000年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
1999年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
キーワード口腔粘膜GVHD / ICAM-1 / サイトカイン / RT-PCR / 細胞傷害性T細胞 / インターフェロン・ガンマ / 免疫組織化学 / ラット
研究概要

研究成果は、1)急性口腔粘膜GVHD病変におけるサイトカインの役割と2)サイトカイン産生細胞を含めた免疫担当細胞の動態の2つが得られた。まず、病変におけるサイトカインの役割に関しては、病変初期にインターフェロン・ガンマ(IFN)と腫瘍壊死因子(TNF)のmRNA発現をRT-PCR法により確認した。サイトカイン発現は、粘膜上皮ケラチノサイト (KC)でのICAM-1染色性の発現時期と一致することが、連続凍結切片による検索により明らかとなった。これらの結果は、急性口腔粘膜GVHDの病変初期の大きな特徴を示した。さらに、ICAM-1はinducible moleculeであるため、IFNおよびTNFの産生により同分子の発現がKCで誘導されることが示唆された。ICAM-1の発現意義に関しては、Stamper-Woodruff binding assayにより、CD8陽性細胞の上皮親和性機構に深く関与することが明らかとなった。したがって、進行期での上皮破壊機構に直接関与する細胞傷害性T細胞の上皮内浸潤は、LFA-1/ICAM-1接着経路の利用していることが示唆された。
しかしながら、初期病変ではT細胞の浸潤が免疫組織的に明らかではない。とくに、ICAM-1の発現開始時には、マクロファージおよびNK細胞様細胞のごく軽度の浸潤しか認められない。in situ hybridizationによる検索では、RT-PCRにてサイトカイン産生および免疫組織化学的にKCでのICAM-1発現を認める初期病変において、IFNがNK細胞様細胞に、また、TNFがマクロファージに発現する傾向を認めた(未発表)。一方、口腔粘膜GVHDの病変発症に関与する免疫担当細胞を検索する目的で、急性GVHD脾細胞を粘膜に投与する局所GVHDモデルを作製した。その結果、マクロファージおよびNK細胞を豊富に含有する脾細胞では、GVHD病変を誘導することができたが、CD8のみを単離して投与した群では、顕著な病変を誘導できなかった。
以上の結果から、急性口腔粘膜GVHDの病変発症には、IFNおよびTNFを産生するNK細胞様細胞およびマクロファージが重要であることが明らかとなった。それらのサイトカイン産生により、LFA-1/ICAM-1接着経路を利用した細胞傷害性T細胞の上皮親和性機構が活性化され、上皮破壊が進行すると考えられた。

報告書

(3件)
  • 2000 実績報告書   研究成果報告書概要
  • 1999 実績報告書
  • 研究成果

    (10件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (10件)

  • [文献書誌] 大野純 他: "急性GVHDの口腔粘膜破壊機序におけるICAM-1の役割."消化器と免疫. 36. 113-116 (1999)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
    • 関連する報告書
      2000 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] 大野純: "基礎研究と口腔がん治療への応用の可能性について.(その2)GVHDとがん治療への応用の可能性"Hosp.Dent.(Tokyo). 12. 71-84 (2000)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
    • 関連する報告書
      2000 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] 岡澤次郎,大野純 他: "移植片対宿主病(GVHD)のエフェクター細胞による口腔粘膜病変の誘導"消化器と免疫. 37(印刷中). (2000)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
    • 関連する報告書
      2000 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] J.Ohno et al.: "A role of ICAM-1 in mechanisms of oral mucosal destruction in acute graft-versus-host disease"Digestive Organ and Mucosal Immunology. 36 (in Japanese). 113-116 (1999)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(欧文)」より
    • 関連する報告書
      2000 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] J.Ohno: "Basic research and its possible application to oral cancer therapy. Part 2 : GVHD and cancer therapy"Hosp.Dent.(Tokyo). 12 (in Japanese). 71-84 (2000)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(欧文)」より
    • 関連する報告書
      2000 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] J.Okazawa, J.Ohno et al.: "Induction of oral mucosal lesions by effector cells in graft-versus-host disease"Digestive organ and Mucosal Immunology. 37, (in press)(in Japanese). (2000)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(欧文)」より
    • 関連する報告書
      2000 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] 大野純 他: "急性GVHDの口腔粘膜破壊機序におけるICAM-1の役割."消化器と免疫. 36. 113-116 (1999)

    • 関連する報告書
      2000 実績報告書
  • [文献書誌] 大野純: "基礎研究と口腔がん治療への応用の可能性について.(その2)GVHDとがん治療への応用の可能性"Hosp.Dent. (Tokyo). 12. 71-84 (2000)

    • 関連する報告書
      2000 実績報告書
  • [文献書誌] 岡澤次郎,大野純 他: "移植片対宿主病(GVHD)のエフェクター細胞による口腔粘膜病変の誘導"消化器と免疫. 37(印刷中). (2000)

    • 関連する報告書
      2000 実績報告書
  • [文献書誌] 大野 純: "急性GVHDの口腔粘膜破壊機序におけるICAM-1の役割"消化器と免疫 36. 36. 113-116 (1999)

    • 関連する報告書
      1999 実績報告書

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公開日: 1999-04-01   更新日: 2016-04-21  

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