研究課題/領域番号 |
11671880
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
病態科学系歯学(含放射線系歯学)
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研究機関 | 昭和大学 |
研究代表者 |
荒木 和之 昭和大学, 歯学部, 助教授 (50184271)
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研究分担者 |
山本 実佳 昭和大学, 歯学部, 助手 (30276604)
松田 幸子 昭和大学, 歯学部, 助手 (50266178)
原田 康雄 昭和大学, 歯学部, 助教授 (30119250)
岡野 友宏 昭和大学, 歯学部, 教授 (20124688)
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研究期間 (年度) |
1999 – 2000
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研究課題ステータス |
完了 (2000年度)
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配分額 *注記 |
3,500千円 (直接経費: 3,500千円)
2000年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
1999年度: 2,600千円 (直接経費: 2,600千円)
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キーワード | デジタルラジオグラフィー / 三次元 / 断層法 / tomosynthesis / 口内法 / 歯 / 歯周組織 / 顎骨 |
研究概要 |
人体における組織および病変を三次元的に捉え表示することは、病変の診断ならびに治療に非常に有効である。このため画像診断の分野では断層法やComputed Tomography(CT)などが開発された。しかしながら、これらの方法は解像度が低く、歯や歯周組織の微細構造(根管の状態や歯根膜隙の状態)などを診断することは困難であった。一方、Tuned aperture computed tomography(TACT)は、Tomosynthesisといわれる原理を応用したもので、非常に解像度の高い歯および歯周組織の三次元表示を可能とする潜在能力を持っている。我々はこれを応用したOrthoTACTシステムを開発中である。本研究ではこのシステムにおいて、歯や歯周組織を三次元表示するのに必要な撮影の諸条件を明らかにすることを目的としている。まず、本システムで作成できる任意位置の断層画像の断層厚と投影角度の関係を明らかにする研究を行った。装置はプロトタイプOrthoTACTシステムとしてOP-100とCCDセンサーを用いた。被写体としては断層厚測定用特性ファントムTOM-1とKyokko test chart tyep1を使用した。種々の撮影振り角でこのファントムを撮影しOrthoTACT画像を作製した。TOM-1の画像を5名の観察者が独立に観察し視覚的断層厚を求めた。Chart tyep1の画像からMTFを求めそれより計算によりNoise equivalent passband(NE)を求めそれにより客観的断層厚を求めた。いずれの場合でも、断層厚と撮影振り角にはほぼ反比例の関係があった。歯や歯周組織を診断するためには断層厚は1mm以下であることが望まれ、これより振り角20゜が適正と考えられた。次に摘出屍体上顎骨を用いてTACT画像での歯髄の状態および歯槽骨の吸収程度の評価を従来の口内法と比較した。その結果、TACT画像は頬側から口蓋側までの断層像上でそれぞれの部位に分けて歯髄腔の状態および歯槽骨吸収状態を評価でき、歯周疾患の画像検査として有効と考えられた。また、乾燥頭蓋骨を用いて顎関節の骨変化の描出能を検討した。従来の単純X線検査では描出不可能な微少な骨変化を描出できた。また、被曝線量は、OrthoTACT用の一連の撮影で、フィルムを用いた従来の口内法1枚の撮影と同程度の被曝であることが示された。以上より、OrthoTACTシステムは歯・歯周組織のみならず顎骨を含めて三次元画像診断に非常に有効と考えられた。
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